春暁 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
やばいくらいノスタルジックに浸れます
2017年春アニメで視聴した作品は多かったのですが、絵のきれいさと内容が気になってはじめから見ていました。
はっきり言ってやばいです……。
視聴後、余韻がすごく他の方もコメントしているように、中学時代を思い出します。 特に20代中盤からは最後のシーンと同じ年代以上になるので、余計に思い出すのでは無いでしょうか?
以下感想です。
{netabare}
【物語について】
純愛恋愛物の王道です。 12話のサブタイトル表示までは……。
特に最後の10分は涙腺が緩みます。
ここまで費やしてきた伏線に、数話前から別れを予感させることをぶっこんで、茜は限界に、小太郎も放心状態になります。 二人とも悩み、どうすればいいかわからない、それを結んだのが小太郎のネット小説だった。 すれちがいの後は、バッドエンドかハッピーエンドが多い中、本作品はハッピーエンドを迎えます。
そこまではいいです。 サブタイトル後が、とてもあざといです。
今までのEDで出てたLINEの回収を行うという、ネタばらしをします。 最後は地元川越で結婚・出産、川越祭りで家族写真で締めという王道から外れた展開で終了します。 しかもLINEの内容に映像が加わりますので、『それから』にピッタリです。
本来、恋愛物であれば、その後について読者(視聴者)の想像におまかせが鉄板ですが、ねらって外しています。
おそらく王道が好みの人は受け入れ難いと思います。 ただし、ターゲット層(特に結婚した20代中盤以降の男性)にはウケると思います。 自分の体験から想像が容易ですし、LINEの中で、大学・就職という環境変化でメッセージが変わっています。 嫁親への報告までありますので、特に共感が得やすいです。
気になる点はありますが、とても丁寧に作られていますので、今季の恋愛アニメでは一番だと感じました。
【キャラについて】
内気に見えて積極的で男らしい、小太郎くん。
流されやすく弱そうに見えて芯の強い、茜ちゃん。
それをとりまく親友や恋敵、親姉妹、先生。
非常によく作り込んでいるなと感じました。
特に両親の対比、恋敵の対比は見事だと思います。
また、描写についても丁寧で、茜が泣くシーンについては中学生っぽさが出ています。ぎこちない仕草、初恋の甘い感じ、気持ちのすれ違い、どれも丁寧で、最近の恋愛物に多い、SFやエロがありません。 極力リアルにした設定が大人の心を掴んでいるのかと思います。
【音楽について】
終わって気づいたのですが、OPは小太郎で、EDは茜です。 EDについては高校時代以降を歌詞として綴っていると感じました。 しかも川嶋あい作詞です。 反則です。 それにあのLINE、終わってます……。 12話を見た後に再度見直すと心持っていかれます。
その他にも90年代の歌が挿入歌で使われていますので、ターゲット層にとっては涙腺ものです。
【残念な点】
ストーリー的にこうなるのは問題ないのですが、あまりにも優しすぎるのではと思いました。 特に9話から11話は二人の愛が深まる対比として遠距離恋愛がありますが、優しすぎて蛇足感がありました。
もう少し葛藤があると深みがでるのかなと思いました。 茜も女になってましたし……
また、他で嫁が茜のこと嫌いと書いてあったのを見て、思わず納得をしてしまいました。 茜は女の人に好まれない性格なのかもしれません。 よくよく考えると茜は男の理想の女の子です。
控えめだけど頭も良くて、かわいくて、運動できて、おまけに一途。 特に10話の最後なんか、あんなの見せられたら男はイチコロです。
全体的にターゲット層には優れた作品です。 ただ、本当の中高生に受け入れられるか聴いてみたいですね。
【総評】
結構辛口かと思いますが、 {/netabare} オリジナルアニメとしてはすごく良い作品です。 おそらく低予算だと思いますし、純愛リアルと難しいテーマに挑戦して、よくぞここまで作ったのかと思いました。 おかげで最終回にやられて、円盤の予約がすごいことになっているようです。 自分も購入を検討しています。
おすすめです。