yokoryo さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
6話が大事なとこじゃないかと思います。
評価したい点は
・金(貨幣)に焦点を当てたコンセプト
・コンセプトを上手く作品に出来ている
・現在と未来の選択という主題がコンセプトと上手く繋げられている
ところです。
演出とか、構成とか、娯楽性を期待してはダメです。
金に関してもあまり深く掘り下げませんし、演出、構成含めて対象年齢が中学生~せいぜい高校生くらいではないでしょうか?
何故かバトルものですし。。
それでいてバトル自体の中途半端感は否めないですし。。
何を期待して見るかによって評価は分かれてしまうと思います。
ですが、作中での現実と金融街の対比と
金融街での結果が現実に影響を及ぼす点、
信用で成り立つ貨幣の仕組みなど、
実際の社会と同じ要素が単純にですが使われていて
よく出来ていると思います。
また、現在と未来という主題もなかなか考えさせられます。
特に6話なんですが、
「可能性の失われた未来しか残らないなら、現在がある意味がない」
「未来といっても、しょせん現在からの地続きだ。現在が失われれば、未来も存在しない」
そんな葛藤を描いている中で、
「兄さんは今日の次は当たり前のように明日が来ると思っているでしょ。私にはそれが無いの。今しか、今この瞬間がすべてなの。」
この言葉にはっとさせられるものがありました。
不確定な未来より確定的な現在を優先する。
未来を担保に現在を買う三國の行動原理が納得出来ました。
そういった背景も踏まえて
「だがそれは強いものの論理だ。遠くを見る余裕のある者の理屈だ。弱い者はその日、その日をもっと切実に生きている。」
という台詞には非常に感慨深いものがあります。
落ちはまぁ対象年齢を鑑みればしょうがないのかなと。
締めの言葉も、まぁしょうがないです。
最後に
この作品を見ることで、金や経済に興味を持ってもらうという狙いは十分達成されているのではないかと思います。
こういった、コンセプトを一生懸命に表現しようとする作品がもっと評価されるようになるといいなーと思うんですが。