STONE さんの感想・評価

3.5
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

「ゆるゆり」の「ゆる」

　原作は未読。
　タイトルにある「ゆる」だが、作品自体のゆるさ、百合もの
としてのゆるさ、どちらでも捉えられる。
　作品自体のゆるさに関しては基本ゆるい日常系。ただ、日常
系のほのぼのとしたハートウォーミングな要素、ギャグものと
しての(毒も含んだ)面白さ、美少女ものとしてのキャラの
可愛らしさのバランスが凄く良かった。
　一方、百合ものとしてのゆるさだが、キャラ達にとって友情
と同性愛の区別がはっきりしていない印象を受けた。そういう
意味ではキャラの行動がゆるい百合ものと言うより、百合の
定義がゆるい百合ものといった感じ。
　友情も広義の百合として含めると、ストレートに「誰々が
好き」と表現しているキャラより、表面上はボケとツッコミの
立場でありつつ、深い友情で結ばれている歳納京子と船見結衣
に一番、愛を感じたりします。

　あまりストーリー性がないため、この作品を支えているの
キャラの魅力に尽きるのでは。登場キャラはいずれも魅力的。
ただ、顔が若干ハンコ絵のきらいがあるかな。
　主役に位置付けられながら空気扱いされている赤座あかり
だが、性格や容姿自体は目立たないわけではないのに、
ストーリーに絡まないという点で目立たない立ち位置に。
ただ、目立たなくなればなるほど、それが特徴として印象度が
上がっていくという珍しいキャラ。
　実際、ストーリーを動かしていくという意味での主役は歳納
京子なんでしょうね。
　そんなキャラ達を演じる中の人だが、中心となる娯楽部の
面々はキャリアの浅い新人中心。正直演技に危なっかしさも
感じられたが、それをそれなりにキャリアのある生徒会が
支えている印象を受けた。

　作画に関して、意外と細かい部分がよく動いており、
そういったきめの細かさが好印象として残った。