たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
渡辺信一郎監督らしいセンチメンタリズム
カウボーイビバップやマクロスプラスで名を馳せた渡辺信一郎監督の近年作品。
渡辺監督独自のセンチメンタリズムと少女漫画的なキャラクターが光る。
渡辺監督はIG出身の神山健治監督と同じように、地上に足のついたリアリスティックな人間ドラマとSFアクションで、しかもどちらも自称スタイリッシュな映像を得意とするアニメ90年代イズムを継承する監督である。
リアリスティックの中に存在するロマンスを見言い出すのが得意であり、例にアニメというよりは「映画的」な「カウボーイビバップ」が挙げられる
プロット自体はやはり神山健治監督が2010年に撮った「東のエデン」を彷彿とさせるボーイミーツガールものであり、現代政治批評もある作品なのだが、いかんせんプロとしての安定感がありすぎるせいで勢いというか。。。視聴者に鮮烈な印象を与えるような作品でないのが残念。
全てあらゆる映画のオマージュで出来ているとも言えるし、演技も抑え目、演出も抑え目な大人な作品ではあるのだが、「抑え過ぎ」で観る側が退屈してしまう傾向がある。
「カウボーイビバップ」は当時最新の科学技術と映像技術(主に演出面の映画的センス)が見事にマッチした時代を代表するセンセーショナルな作品であったのにも関わらず、今の時代、「進撃の巨人」や「fate」シリーズのようにド派手でよく動くアクションアニメを見ている視聴者には物足りなさがのかってしまう残念な出来栄えだといえる。
映像作品というのは残酷で、一度新しい作品が出るとそれ以前の作品が霞んで見えてしまうのだ。
よって、平均以上の作品ではあるが時代を更新するまではには至らなかった凡作という評価になってしまう。
ブレードランナーのアニメ化期待していますよ!!!