おぬごん さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
う~ん…そういう後味の悪さじゃないんだよな…
A先生こと藤子不二雄Aの「黒い」代表作の再アニメ化
人々の心の隙間を埋める笑ゥせぇるすまん・喪黒福造を通し、人間の醜さと痛烈なしっぺ返しが描かれる作品です
旧アニメは子供の頃に再放送をたまに見ていましたが、子供心にめちゃくちゃ怖かった印象があります
でも同じ怖いアニメでも「ぬ~べ~」とか「学校の階段」とかは怖いと思ったら見なくなってたんですけど、
本作に関しては怖くてもなぜか見続けてしまっていた覚えがあります
作風は大人向けですし私自身内容はほぼ覚えていませんが、子供心をも掴む魔力を持った作品だったんですね
さて本作は2本立て形式で、基本的にAパートが原作回、Bパートが現代の世相に合わせたオリジナル回という構成です
Aパートの原作回も現代にアジャストされているor現代でも通用する作品を選んでいるようで、さほど違和感はありませんでした
第10話の「拾ったフィルムのヒト」だけはさすがに時代を感じましたが…台詞回しも詰めが甘かったですし
オリジナル回は社会問題や実際の事件への風刺も多く、よくできた話が多かったと思います
2話の「マボロシガイシャ」、4話の「走行者天国」、10話の「ウソ孫」、11話の「私はアイドル」あたりがお気に入りです
あと8話の「今夜も最高」はまんま大学時代の私ですね(笑)
ただ全体的に、話も演出も弱かった…もとい、ぬるかったという印象です
やっぱりこの作品、各回の題材自体ももちろんなのですが、
①「客」に明確な心の隙間があること、②喪黒により心の隙間が(一時的に)解消されること、③「客」が調子に乗り喪黒の忠告を破ること、④痛烈なorとんちの効いたしっぺ返しを受けること
といった起承転結がしっかりしていることが面白さの秘訣だと思うんですよね
その点上記で挙げたオリジナル回4本はよくできていたと思うんですが、
全体的に①の心の隙間が弱かったり(5話「捨てちゃう女」、7話「化けた男」など)、②③の解消のされ方や心の汚さの出方に違和感があったり(7話「ママ友のおきて」など)、④のオチも弱かったり(「12話ニッポン海外旅行」など)…
オリジナル回だけでなく、厳選されたはずの原作回でもそう感じることが多かったのが残念です
というか、今回放送された話、全体的に最後のオチの破滅具合が弱い気がしました
昔の話だと死なないまでも、もっと人生終了レベルの破滅に陥っていたイメージだったんですが…
全体的に物足りなさやこれじゃない感を感じることが多く、本来の作風とは違った後味の悪さを覚えることが多かったです
特に実質最終回の12話Bパートが原作回なのにイマイチだったこと、最終回だと思っていた13話があまり出来がいいとは思えない7話の再放送だったことにはガッカリでした
喪黒役の玄田哲章のチョイスらしいんですけどね…
隠れた見どころとしては、各回の「客」のキャストですね
基本的にこの作品の「客」は現実世界に居そうな一般人…それも大人
つまり普通のアニメや映画ではスポットライトが当たらない人たちなんですよねw
ですので豪華声優陣が、普段は演じない普通の人を演じているという貴重な体験ができます
ダメ絶対音感の持ち主であれば、自分の耳の力試しもできますね!w
また阿澄佳奈(33)が31歳OL、水樹奈々(37)が36歳独身OL、そして井上喜久子・ほの花親子が親子役(内容も…)で共演したりと、キャスティング自体に結構毒があったところも好みでした
序盤は期待して見ていたんですが、最終的な印象はイマイチ
いい話も多かったんですけどね…
完全に余談ですが、昔「週刊ストーリーランド」でやってた老婆の話、
あれ完全に笑ゥせぇるすまんだったんですねwww