Progress さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
刹那的な生き方が漢のロマン!大事なのは今だ!
2017年春アニメ一スタイリッシュでカッコイイ3DCGアニメです。
視聴を決めたのは村田蓮爾氏(ラストエグザイルやシャングリ・ラのキャラクターデザイン)がアニメーションキャラクター原案だったことが一番の理由ですね。
ポイント
・危険を顧みず果敢に資源「オリハルト」を採掘する宇宙の荒くれ者達
・エスカベイト社の社員全員が帰るべき肉体を失ったエバートランサーとよばれる者達で構成されていること
・正義も悪もない生き方を貫くID-0
宇宙で危険なオリハルト採掘で一攫千金は夢がある職業。「ベーリング海の一攫千金」みたいな、全てが荒々しい男達の生き様を見ているかのよう。
宇宙開拓といえば人類の夢のような部分があり、その中で個人事業者が宇宙船を持って資源採掘をできるまで人類が発展した世界観が魅力的。アメリカンドリームならぬユニバース・ドリーム?
「MTシステム」がある事で安全に宇宙開拓を行える時代で、肉体を失い機械の体になりながら、危険な仕事を請け負っていく。命綱がなくても危険な仕事を楽しむようなその仕事ぶりに格好良さがある。
「MTシステムで肉体を失った」あるいは「温室育ちと現場の人間」という設定によって、どことなく価値観の違う存在というのをミクリマヤがイドに思うことによって、視聴者にもそう思わせている見せ方の妙。価値観が違う存在に興味を持たせ、徐々にその人間と心を通い合わせる、価値観の共通する部分を見つけ、受け入れていく過程が描かれていく。
イドの過去が気になるというよりも、イドがどうやって過去を明らかにしていき、その過去にどう向き合うのか、そのドラマ性が面白い。最終話前にして、イドの過去が明らかになり、正義や悪といった価値観を超越して、「答え」を出した瞬間のイドのかっこよさは1年に一度あるかの出来といっていいほどのストーリーの完成度を見ました。
また、敵対する存在(ラスボス)についても「正しく」小物感を演出しています。視聴者がガッカリするような、姑息で卑怯な真似をするラスボスではなく、ゆがんでしまった思想、美意識を大層に披露するそういうラスボスが見たかった。それがこの作品にはあります。
ここ最近欲しかったアニメの要素を全て補ってくれたような作品でした。
OP「ID-0」も凄く映像も含め凄く良かったし(多分春アニメの中で一番聞いた)
3DCG作品で満足できる作品にしばらく出会えてなかった気がしますが、この作品で相当に満足。
遊び心のある最終話や各キャラをフォローするエピローグも最高。
声優も津田美波さんの再評価に繋がり高評価。
出来れば二期のようなものが欲しい・・・