四畳半愛好家 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
喪黒よ…狙うべきはそっちじゃねーだろ(泣)(+最終回の残念感よ…)
他人の願いを叶えることで、人間の強欲さを引き出し、高いところからどん底に叩き落す。
そんなことを生業(あるいは趣味?)とする悪魔のようなセールスマンの話。
有名な作品なので「喪黒」というキャラは存じていたものの、作品に触れるのは今回が初めて。というわけで期待して視聴しましたが…。
想像以上にダメージが来る話でした。(昔より大分マイルドであるそうですが…)
何が痛いって、ターゲットになる人が大抵の場合、悪い人間ではなく、ごく普通の、人間らしい人間ばかりである点です。(寧ろ、可哀想な社会的弱者がターゲットにされるケースが多く、そんな人たちを更に突き落として…何が楽しいんだ喪黒よ…)
だんだんターゲットが自分に見えてきます…。
例えば1話の(個人的に大好きな)阿澄さんが演じた買い物でストレスを発散する女…。性別も嗜好も立場も違うけれど、自分でもきっと彼女の状況になったら同じことをしただろうと思います。
(ただ、1話の昼休みに酒を飲む男は共感できませんでした。仕事の間の短い昼休みにお酒を飲むなんて…メンタルが相当強くないと出来ません…。他にも、同情や共感ができない話も多数ありました。)
例外はあるものの、総じて「自分でもそうしたな」と思われる回が多く、そういった意味でダメージが来るアニメでした。反省しなくては…。
似た展開なのに飽きなかったあたりも流石だと思います。
それだけに…最終回の最後の話のクオリティの低さが至極残念。
アニメで一番大事な回は「視聴欲をそそる1話」と「作品の感想に直結する最終回」だと思います。終わりよければ全て良しとは言いませんが、やはり最終回は期待感の高まる特別な回です。
そこに過去最低ともいえる話を持ってきたスタッフよ…何故だ?
喪黒は詐欺師でもあるが、ボランティアでもある…それが喪黒らしさだと思っています。『最後に落っこちるのは、ターゲット自身の行動による。』
グレーな話はあっても、彼自身が詐欺で直接騙すことはしてなかったはず…。
なのに最終回の彼はただのどこにでもいる「詐欺師」でしかないように思われました。敢えてただの悪徳詐欺師の喪黒を描くことに深い意味があったのかも知れませんが…。
ともかく違和感を感じる腑に落ちない最終回でした。
心なしか喪黒もイマイチ楽しくなさそうに見えたような…。
こちらも雰囲気が「らしく」ありませんが、「私はアイドル」なんかを最終回に持ってきていれば、笑顔で終幕できたと思います…。
取りあえず…話がつながっていないので、好きな声優さんの回だけ観てみるのもあり。豪華声優陣の演技だけでも楽しいかもしれません。
また、昔の名作の雰囲気を知りたい方なんかも、是非観てみればいいと思います!
●以下項目別感想詳細
物語:3.0
しょうもない話も多いが飽きさせない辺りは流石。好きな回もちらほらありました。ただ最終回が…。
声優:4.0
メンツ的には5点満点。人気声優が集結し、演技も流石。ただ、演じられたキャラが皆「普通の人間」なので、彼ら彼女らの魅力的な声を最大限に活かした作品ではないため減点。ただ、普通な役を演じてる新鮮さが楽しかったのも事実です。
キャラ:3.0
喪黒はなんだかんだ可愛いくて??好き。ただ、全体としてキャラが魅力的な作品とは言い難いので低評価。皆普通の人間ですからね…。
作画:4.0
アニコレだと低い点数がついていますが…なかなか良い感じに藤子不二雄ワールドを表現できていると思います。
音楽:3.0
OP、EDは特段好きでもありませんでしたが、脳内でついつい再生しちゃう様な中毒性のある曲でした。
総評(平均):3.4
純粋に楽しいアニメではないかも知れませんが、ハッとする部分もあって、なかなか悪くない作品だと、個人的には思っています。