◇fumi◆ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
繭 空を堕ちる夢 壁に囲まれた街 心の闇
2002年放送のテレビアニメ 全13話 フジテレビ
原作構成脚本 安倍吉俊 監督 こころともかず キャラデザ 高田晃
当時のフジテレビの深夜アニメ枠は遅い時間で、放送形態も録画するのが困難な状態だった。
この作品も、2話連続放送が4回では見た人が非常に少ないと言ってもいい。
東映版カノンはなんと最後の「あゆ編」3話同日放送という酷さ。
その後、フジは反省し「ノイタミナ」と言う枠で大事に放送するようになった。
さて、この作品も幻のアニメだったが、比較的早い時期にDVDレンタルが開始され、
ツタヤの大幅拡大などで、割とアニメファンの目に留まるようになった。
作画は当時のアニメとしては相当レベルが高く、
淡いセピア色の色調での統一やよく練られた音楽、
細やかな心情を現した脚本など一級品であると思う。
四方を壁に囲まれた世界だけの物語で、
セカイ系アニメの代表とも呼ばれる。
丹波さんの大霊界のイメージかな。
エンゼルビーツにも近いが、もっと高尚で宗教的かつ謎が心地よい。
今となっては雰囲気アニメとしての価値しかないが、
観ている時間はとても心地よかった。
すべてが丁寧に作られている作品で今見ても価値が見いだせる。
と思うんだけど、どうなんだろうか?
主人公ラッカ(広橋涼)をはじめとする灰羽たちはコスプレイヤーみたいで可愛いな、
と思ってるとシリアス展開や鬱展開が多少ある。
自殺と言う罪を犯した人々のサナトリウム?
でも、やっぱり鳥かごのようなセカイの灰羽は可愛いと思えれば観た甲斐もあると思う。
00年代初頭の深夜アニメの金字塔として再評価の動きもあるようで嬉しいことです。
規模は違うけどメイドインアピスを観てて思い出した作品です。