bk958 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
『1話がつまらないシュタインズゲート』
◆1話の"つまらなさ"から見るシュタゲ
初めて1話を観たとき、ネット用語の取っつきづらさ、厨二病全開のキャラがキツくて、一話切りした。ネットの感想やらを見ると、同じ過ちを犯した視聴者は数多くいるもよう。
そして、口コミから再視聴し『何で1話で切ったんだ』と激しく後悔する。
『こんなにも情報にあふれた1話が、なんでつまらなかったのか?』
この疑問は一話を見る度に感じる。今となっては確認することはできないけど、記憶をなくしてもう一度見たいアニメなどとささやかれるのも納得できる。
激突する人工衛星、メタルうーぱを当てるまゆしぃ、中鉢教授の胡散臭い会見etc...。
一見ではとっ散らかっている個々の情報を伏線として回収し、ひいては視聴者を突き放した厨二病キャラさえも回収してシュタインズゲートへと向かう見事な盛り上がり。
『ループもの』『タイムリープもの』が人気ジャンルとして定着した中で、あの終盤の気持ちよさはシュタゲのオリジナリティだろう。
◆1話の"紅莉栖の死"から見るシュタゲ
もう一つ驚くことは紅莉栖の死を忘れていたこと。あの時点では周辺情報のない紅莉栖は、事前情報なしではモブキャラに限りなく近い。
更に、その後の2話で紅莉栖のキャラクター性や、岡部とのイチャコラの片鱗を強く打ち出したり、世界戦変動に関する謎ラッシュだったりで見事に頭の隅っこへと追いやっている構成の妙だ。
最終的には、まゆりを救いたいけど救えないという構図に紅莉栖のストーリーが絡むことで、強烈な感動を生み出した。
洋画のバタフライ・エフェクトとの類似性も度々指摘されるが、ここらへんは2クールアニメ(元はゲームだが)ならではの構成で、見終わったときの感動はシュタゲのが大きかった。
更にギャルゲ構造を組み込んだり、2ちゃん、アキバ、CERNとほどよく現実とリンクさせたり、非常にバランスが良かった。
時間を超えた壮大なストーリーでありながら、そのディティールはアニメ好きな層やオタク文化に密着した見事な設定でした。
1話を"つまらない"と感じた時点で、もうシュタゲの世界に引き込まれていたのかもしれない。