退会済のユーザー さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ニュータイプとは何だったのか
何となく観るのを後回しにしていたのですが、観たらなかなか面白い。
主人公がニュータイプでなく、ヒロインがニュータイプであるところが良い。
ニュータイプの苦悩を主人公が解決し、癒していくというのが面白い。そして、ヒロインであるティファの存在感がとても良い。
主人公のガロードも基本単純で素直だから、感情移入しやすい。
ファーストで作ったニュータイプという概念は何だったのかというのが、一つのポイントだと思う。
過去ニュータイプだったジャミルは、ニュータイプは人の革新と思いつつも、時代に翻弄される存在だとおもっている。
ティファは自分自身をニュータイプとは認めていない。周りが祭り上げているだけだと。
兄弟はニュータイプは人の革新と認めつつも、その存在を否定している。ニュータイプがいるから自分たちは認められないのだと。
ガロードは、ニュータイプと呼ばれる人々は凄いと認めているが、それを祭り上げたり、利用したり、抹殺しようとは考えていない。
結局、ニュータイプというのはフィクションである。人々が勝手に期待した願望に過ぎないというのが、作り手の回答。
確かに凡人ならざる力は現実かもしれないが、それを人の革新とするのは飛躍し過ぎている。それに振り回されて戦争をしているのは、愚かだと思う。
戦後という設定が良いと思った。この作品の軸は、新、旧の対立だ。当時新しかったニュータイプという概念が、戦後15年で古くなってしまった。そのことに気づかず大人たちは、ガロードたち戦後生まれの子どもを巻き込んでガタガタやっている。
ガロードの
「俺よ、最近ようやく分かってきたぜ。大人ってのはどういうものか」
「戦争だ、連邦だ、ニュータイプだ、産まれる前のゴタゴタにこっちを巻き込んで引っ掻き回す…!.
けっ、それはアンタ達の言う大人なんだろォ!」
これが一番印象に残った。現実世界のことを的確にセリフにしていて、気持ちが良い。
産まれる前のゴタゴタに巻き込むのはほんとやめて欲しい。また、これからの世代にはそれを作らないよう振舞っていく必要があると感じる。