岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
劇場版としては物足りない
花咲くいろはの劇場版。
視聴後の感想を一言で言うと、物足りない。具体的には尺。人気作の劇場版ではあるものの展開上、前日譚的な内容になるのは仕方ない。どうしても脚本が縮こまってしまいがちになるのはなんとなく理解できるが、それでも一時間弱というのはあまりにも短い。無理に劇場版にしなくてもOVAで十分描ける内容だと思う。
内容に関してはテレビシリーズではあまり描かれることのなかったヒロインの母・皐月の物語。若かりし日の母の姿が、娘である御花が業務日誌を読み進める中で回想として描かれるという内容自体は素晴らしい。また御花の名前の由来や、今は亡き皐月の夫が登場するのもうれしい。
菜子の家族のエピソードを重ねながら、御花も自分の家族のこれまでや自分の知らない母が過ごした時間に思いを馳せる。スイ・皐月そして御花、なかなか一筋縄ではいかない複雑な家庭環境のなかでそれでも逞しく育ち、離れていく親子。それでもどこかで確かに繋がっている、それが御花家なりの家族の絆なのかなと。本作を見るとテレビシリーズでの皐月の印象ががらっと変わるかも。
内容自体は素晴らしかったが、劇場料金を払って見るには尺的に少し不満。従業員たちの日常風景などもう少し色々なシーンを見てみたかったかな。OVAとして見るなら締まったいい作品だと思う。