「聲の形(アニメ映画)」

総合得点
88.4
感想・評価
1522
棚に入れた
7491
ランキング
115
★★★★★ 4.1 (1522)
物語
4.2
作画
4.3
声優
4.2
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

M.out さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

コミュニケーションの形。すなわち、聲の形。

 個人的に評価を述べるならば、2016年のアニメ1位である。

 この作品は「人と人とのコミュニケーション」を描いたものである。聲唖による言葉が聞こえない、また発せないことによって生まれる隔たり。自ら心を閉ざすことによって生まれる心の隔たり。そんな風に伝えられない思いを持つ、硝子と将也をメインに添えた物語である。
{netabare}
 心を隔てることで対人関係から逃げてきた将也が、硝子と出会うところから高校生パートが始まる。始めは初々しく、おどおどしながら、「好き」が「月」に変わってしまったりしながら、友人の助けを借りて徐々に分かり合っていく様子を描く。これが中盤まで。
 そして、コミュニケーションを取り始めた将也はその難しさを知っていく。繋がろうとすればこんがらがって、すれ違っていく。そして心の相対速度がmaxを迎えたとき、その切なさに人は涙する。少なくとも共感するならば、直視してはいられない。たいへん苦いのだ。
 そして、終盤、本当に想いが伝わったとき、その素晴らしさに人はまた涙する。少なくとも私は泣いた。
 そして将也は成長していくわけです。
 氷菓のような青春の甘くないところをテーマに描いた本作だが、とんでもない傑作である。
 ついでに。障害者を弱者という立場で描かず、一人の人間として描いている点がいい。特に終盤の文化祭で、将也が硝子に手を引かれるシーン。障害者が健常者を導くシーンであり感慨深い。また、植野という存在は常に硝子と対等であろうとした存在である。だから、硝子と将也以外で多く描かれたのが植野なのだろう。
 {/netabare}

漫画原作とは違い、将也の視点が大きく打ち出された本作では、そぎ落とされた要素が多い。そのせいで掘り下げられないキャラも出てきたわけだが、コンパクトにまとまっていて、個人的にはこっちの方が好きだ。
 あと、牛尾憲輔の音楽はやはり良い。

投稿 : 2017/06/19
閲覧 : 224
サンキュー:

9

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