M.out さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:今観てる
物語のための物語
11話まで視聴した。とっても面白い。
物語に登場するキャラクター(被造物)が現実世界に飛び出す、という設定はかなり個性的だ。そんな被造物が織りなす群像劇のように描きつつ、被造物が起こす事件に巻き込まれていくなかでの主人公、颯太の成長がメインになっている。いやなっていくだろう。被造物に学び、感化され成長する。(ネタバレに続く)
{netabare} ここで重要なのは「被造物と物語が、現実に向けての力を持つ」ということだ。これが1クールのメインテーマになるのではないか。颯太が10話でアリステリアに言ってた「あなたの物語が背中を押してくれて、うんたらかんたら」みたいなあれである。
物語は人に宿り、その人の力になる。そんな物語賛歌が1クールの話。だと思う。
{/netabare}
{netabare} 2クール目は我々の創造主としての在り方がテーマになると思う。1クールで語った「物語の力」を使って、我々がどのように物語るべきか。
あと、11話のルイとの会話を見るに創造主の世界が、何者にも左右されない絶対的な世界とされているため、その外の世界の存在は描かれないだろう。最初は創造主もまた神に作られた物語の存在だ、的なのを予想したものだが。
{/netabare}
最終話まで観たが、うーん。そうなったか。
戦闘シーンと会話シーンで、楽しませるのか、話を進めるのか、はっきりさせていたのだが、なんだか機械的な感じがした。
あと、クリエイターがどれだけ命削ってるかが分かったのではないか。面白くなかろうと、それなりの想いがあって作品は生まれる。
颯太というのは、きっと我々のような一般人であり、しかし何かを創造することができる。その創造は誰かに宿ることもあるかもしれない。
本作がPV2で言うように、颯太の「記憶」という名の創作なのだとしたら、確かにそれは私に響いた。
ならば私にも何か作れるのではないか。そんな
気がしてくる。
PV3の言葉を借りるなら、
「まだ生まれぬあなたの世界は、きっと貴方を待っている」