かもかも さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
響け!ユーフォニアム
人間ドラマとして久美子以外にも成長があった2期
1期よりも完成された作品となっていましたね!
それぞれのストーリー
鎧塚 みぞれ
{netabare}
今期にテーマがあったとするならば
頑張る理由(目的)というのでしょうか?
みぞれ先輩にはそれがなかった
全国へ行ったって彼女にはなんの価値も無いのだから
コンクールに意味を見出せない
彼女はそもそも希美と仲良くしたいから続けていた吹奏楽
しかし彼女が辞めてしまい目的が無くなってしまった
(久美子が麗奈と仲良くなる前にそっくり)
でもみぞれ自身
吹奏楽を始める前の誰も近づいてこない環境から変わっていたことに気づいていなかった
吹奏楽を通していろんな人と出会い
実は共有できる仲間ができていた
(特に優子先輩)
それに気づいてみぞれは
みんなと楽しく吹奏楽をやりたいからと
続ける意味ができたんですね
「今、好きになった」
とは
みんなが喜んでいるのをみて
楽しく演奏できている
分かち合えてることが嬉しかったから
コンクールで演奏することに意義を感じたのです{/netabare}
田中 あすか
{netabare}
器用であるが故に
母親からも仲間からも大人のあすかを求められてきた
だからあすか自身も求められるものを今まで演じてきた
周りにあわせ
自分の思うように生きていけないわけです
その中でユーフォを続ける(父親と繋がっていたい)目的、意思だけは貫いてきた
演奏するためには普段はしない冷徹な態度も取れる(本音が出せた)
しかし自分の意思を保つには自信が必要です
でなければ迷いが出る
母親から部活を辞めろと言われ
自分のせいで部活に迷惑をかけ
みんなを裏切っていると思いつめてしまい諦観し始めてしまう
本当はそこで自分のワガママを肯定してくれる人
、支えとなる存在がいたら良かったのですが
他の仲間達は
あすかならなんとかできる
という願望の押し付け
あすかの出す答えはいつも正しい
否定する人がいないので
「あすかはそれでいいのね?」
と距離を置き相手に合わせ同調する発言ばかり
あすかは答えを求めてるのに
あすか自身に答えを求めていた
彼女らは頼り”傍観者”であり続けたのです
その中で久美子は”当事者”として自分の意見を言って立ち向かった
間違った意見、自分勝手かもしれない
それでもあすか先輩に続けてほしいと
「子供でなにが悪いんです?」
この言葉を待っていたのでしょう
自分の生き方を否定したくれた
母親からも仲間からもあすかは大人(妥協→流される人間)であらなきゃいけないという押し付けに期待に応える形で生きてきたが
久美子は子供(自分の意思→孤立した存在)であってもいいと言ってくれた
勇気を与えられ救われたのです
結果自分をさらけ出せ、弱みを見せてもよいと思えるようになりました {/netabare}
高坂 麗奈
{netabare}
私はてっきり滝先生が未だ妻のことを想っているということから
麗奈の告白は自分へのけじめで滝先生との区切りをつけるためだ
とばかり考えていました
しかし
先生の立場だからか?(鈍感難聴系主人公かな?)
はぐらかし、彼女の想いを受け流してしまったので
今回麗奈の成長といった展開は見られませんでしたね
今後ストーリーに続きがあるとするのならば
麗奈の恋の終結、成長というのがテーマになりそうです {/netabare}
黄前 久美子
{netabare}
久美子には特別になりたいという目的があった
その中で近くにあすか先輩と憧れる存在がいた
だから久美子はあすか先輩のように上手くなるという目標立てたのです
ただ3年生も卒業してしまう
全国大会で父親に演奏を聴いてもらえたことによりあすか先輩のユーフォを続けてきた意味は完結した
それを知ってた久美子は楽譜をもらったことによりは吹奏楽を辞めると思って困惑してしまう
かつて目標だった姉が離れてしまったようにあすか先輩まで離れてしまうのではないかと
もうそんな思いはしたくない
しかし
今ではあすか先輩も久美子のことを大切な存在と思ってくれていた
「じゃあ言わない、またね」
久美子のために
吹奏楽を続けてくれること約束してくれた
と同時に楽譜を渡された意味を考える
進藤さんが
あすか先輩の憧れであるためにあの曲を演奏しているように
あすか先輩も
久美子の憧れであり続けるためにあの曲を演奏しているということ
そして
今度は自分が演奏して
目標、憧れの存在としてならなきゃいけないということ
響け!ユーフォニアム
とは
響く音色のように
次へ次へと下の世代に受け継いでくれという思いが込められていたのです{/netabare}