アート さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
誰かに背中を見られることも経験
◆概要:作品の紹介
原作は渡航がつとめるメディアミックス作品。端役ばかりだった新人声優の烏丸千歳に主役の機会が舞い込んできた。しかし、浮かれる本人をよそにルックス重視のアイドル企画は進行してしまい、次々と問題が浮き彫りになっていく。声優を中心に業界の裏事情をブラックユーモアを交えつつ描いている。軽快な台詞とテンポで、悲観的にならずに観られます。
◆仕事:この業界はおかしい
同系列の『それが声優』を正当とするならば本作は異端。声優の内心や事務所と制作会社の内情をぶちまけた邪道な面白さはあるが、愚痴を聞かされているみたいで不快に感じる人もいるかもしれません。虚実混じりで誇張した表現があるとは言ってもイメージを崩す可能性は無きにしも非ず。様々な作品を観てキャスト等に詳しくなった人向けだと思います。
◆特徴:キャラの性格と表情
自分が売れないのは事務所のせい。意識が低くて能力不足なのにすぐ自己過信する主人公と責任感のないプロデューサー。人をなめた態度はムカつくけれど、場が明るくなる愛すべきキャラ。生意気でも正直だから憎めない、性格が顔に表れているくらいには表情が豊かなので見甲斐はあります。評価の分かれ目は毒っ気を受け入れられるかどうかでしょう。
{netabare}
■感想:すぐ忘れられちゃう
11話で「いつまで応援してくれるかな」と苦悩する場面。今や将来なりたい職業ランキングで上位に入るほどの群雄割拠の時代。表に立つ機会が増えればその分歌って踊れるアイドル性も求められる。ベテラン声優が若手に警告する"使い捨て"を考えさせられる回でした。アニメのアフレコだけでは生き残れない、人気職業の厳しい一面が見て取れました。
■総評:隣の芝生は青いもの
百花と万葉の温泉回は良かった。「こんなのばっかり」という台詞にすべて秘められている気がします。昨今の相次ぐ放送延期や作画崩壊などの問題に挑戦した作品でもありましたね。観ているこちらが心配になるくらいの踏み込みで楽しませてもらった。最後は、千歳の心根が変わらず、それでいて着実に成長していることがわかる悪くない終わり方でした。
★お気に入り:烏丸千歳(CV:千本木彩花)
{/netabare}