狗が身 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
悪くない船上ミステリー。
今回の物語は終始船の上で展開されいていて、アクション要素もサスペンス要素も控えめでミステリ主体の作品となっている。
だから他の作品に比べるとどうしても印象が弱いのだけど、出来自体は悪くないと思う。
今回はミスリードが巧く機能していたね。
これまでの劇場シリーズを観ていれば、日下以外の真犯人の存在を疑うのは当然の流れ。
しかし、そこで日下の次に疑わしき秋吉を小五郞が犯人だと指摘したことで自然と僕らの中から「あ、秋吉は犯人じゃないんだな」と思わせてしまった。
なにせ小五郞の推理力の低さを僕らは信用しているのだから、まさか小五郞の指摘した人物が犯人だと思わないだろう。
このミスリードには舌を巻いたよ。小五郞の推理力の低さを逆手にとった巧いミスリードなんじゃないかな。
ただ一連の事件の展開はよかったものの、オチの為に用意された蘭救出のシナリオはちょっと引っかかる。
いくらなんでも、船が沈むかどうかの危険な状態で一人で落とし物を捜しに行くってのはありえないというか、酷い。
新一と蘭のロマンスは劇場版の見所とはいえ、今回はやや強引すぎた感があるかな。
中盤までの船旅のゆったりとした空気がすごく好みっていうのもあって楽しめた作品ではあるけども、コナン的な面白みには欠けるかな。