ちゃろう さんの感想・評価

3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

女性作家の独特の色がしっかりと出ていると思います

女性作家は男性作者の感性とは違い、独特の雰囲気があったりします。
その空気感が男性作者には描けない独特の雰囲気を醸し出してくれるものですが、それが違和感となってあまり馴染めない作品もある中この作品はすごく良かったと思います。

作品としてはきれいにまとまっているとは思うのですが、逆に言えば無難な材料をそろえすぎてしまって作品としての面白さの限界の上限が見えてしまっているように感じます。

ちょっと表現しづらいのですが…カップラーメンはある程度のクオリティはしっかりとある、でもカップラーメンというカテゴリの特性上、おいしさの限界の上限がある程度決まってしまっているという感じでしょうか。

無難な設定、無難な物語、無難なキャラ、それだけだとつまらなくはないけど面白くもない。そこに一ひねりや+＠の要素を加えているがそれだけだと毎回ある一定の面白さはあるものの何か突き抜けたものはない…なので私の中でこの作品は通信簿がオール4の真面目君みたいな印象になっています。

作品としては毎回安定して面白かったですよ。何よりも気軽に見れるのがよかったです。

日常系コメディに属する作品だと思うのですが不快なキャラがいない上、変にドロドロした恋愛だったりハーレムだったりを加えないから本当に気軽に見れます。

キャラの設定もシンプルで無難なテンプレキャラ設定が多いのですが、そこに少しひねりの要素を加えていると思います。
例えば引きこもりでオタクだけどコミュ力が高いのが最近のテンプレになりつつあるとは思うのですが、うわべは典型的なイケメンキャラだけど実は恥ずかしがりでコミュ力が低めな御子柴君がいたり、単純な男装キャラ、もしくは女装キャラがテンプレだとすると上男装、下女装の鹿島さんがいたりだとか、テンプレを少しひねるというか+＠というか…そういうキャラ作りはいいと思います。
突き抜けたキャラはどうしても好き嫌いが分かれてしまう。テンプレキャラだと無難で終わってしまいますからね。素敵なキャラだと思います。

テンプレの設定の中、主人公を少女漫画家にするという一ひねりだけを加えたシンプル+＠の設定なので癖もなく物語も見やすくなっています。

日常系コメディなので、何か特に物語が進行するわけでもないし深みもない、でもそれがいいと思います。この手の作品で変に物語を作ろうとして恋愛要素を強めたりシリアス展開にしてしまうと気軽に見れなくなってしまいますし気軽に見れる部分がこの作品の魅力だと思っています。

何事も相性だと思います。ごはんとコーラよりもごはんとお茶の方が合いますからね。この作品の色ならシリアスにして変に癖を強めるよりもずっと気軽に見れる雰囲気の方が合っていると思います。