チャチャ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
まさかの尻切れドンボ?
【あらすじ 】
舞台は北海道旭川市。骨格標本士という特殊な職業の九条 櫻子と高校生の館脇 正太郎が、発見された骨をもとに様々な事件を推理していく作品。
【スタッフ&その他】
原作 :太田紫織。
制作 :TROYCA。
監督 :加藤誠。
話数 :12話。
ジャンル:推理ミステリー。
【レビュー】
{netabare}ちゃんと人が死んで良かったです。いやいやそう言う意味じゃなくて......。作品の中で人が死んでという意味です。誤解を招く言い方でした。と言うのも、人が全く死なない学園で起こった些細な謎を推理する氷菓という古典部シリーズの作品もあるからです。こちらも嫌いではないんですが、私は作中で人が死んでの警察沙汰の王道パターンが好きです。王道の流れはこうです。まず、人が死んで「キャーー!」で死体を発見。→ 頭の固いベテラン刑事が現場に到着して頓珍漢な推理を展開。→ その後IQ高めの主人公が証拠を提示しながらトリックを推理。→ 「謎は全て解けた!じっちゃんの名に懸けて」でトリック暴き、「真実はいつも1つ」の決め台詞で事件は一件落着。これが王道の流れです。その点において、この作品はその流れをほぼ踏襲してくれていました。ですから私は氷菓より櫻子さんの方が好きです。
骨格標本士という専門的な知識を持つ櫻子さんの推理は、「白骨化した骨」という残された物的証拠を、科学的根拠や法医学に基づいて観察・推察して結論付けていくタイプの推理なので、明確で歯切れが良くて爽快感がありました。 ただ、櫻子さんがあまりにも万能であらゆる分野に精通しているので、骨格標本士という事をすっかり忘れてしまいそうになる事が多々ありました。
作品の後半でようやく長期ストーリーらしき「花房」の話題が出てきたのですが、結局最後まで謎のままでした。2期がなかったら永遠に謎です。「続きは原作で」という事なのでしょうか?何だろうこの「続きはWEBで」みたいなやり場のない焦燥感は....。ドラマ化の影響で円盤が売れて2期放送という結果に期待したいところですが、そこまで待てるかが問題です。確か原作は現時点で11巻。。。んー、いらぬ出費は御免を蒙りたいです。
この作品のタイトルの元ネタは、梶井基次郎の短編小説「櫻の樹の下には」の冒頭の一節「桜の木の下には死体が埋まっている」ですが、これは覚えておいた方が良いかと思います。他のアニメ作品でも時折セリフで出てきます。しかし実際は、桜の木の下には太い根があって人力で穴を掘る事はほぼ不可能です。ですから、死体を埋める際のおススメですが、群馬あたりの山中の雑木林にして下さい。いやいやもちろん冗談ですよ。{/netabare}