◇fumi◆ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ユービックスクリーンプレイ Eye in the Sky
押井守監督が「うる星やつらオンリーユー」に続いて製作した劇場版うる星やつらの第2弾
3作目がやまざきかずお監督なので、押井守作品は2作のみとなる
名作と名高い作品でテレビオンエアも非常に多く、自分も初視聴はテレビで
「オンリーユー」1983年との違いから考えるために両方を視聴するべきだろう
押井ファンなら
「オンリーユー」は途中から押井氏が担がれ、ほぼすべてを一人で作り直した作品だという スタッフからは非難ごうごうだが、高橋留美子氏は大絶賛したという
ところが、押井氏は「完全な失敗作、大きいテレビ」と語り、次の本作はタイムスケジュールを取り、監督脚本の万全の態勢で挑んだ
「うる星やつらビューティフルドリーマー」1984年はキャラを借りた別作品であると言われる 高橋留美子氏がこの作品は嫌いと言ったとも聞く
しかしどうだろうか?ほとんどオリジナルキャラも登場せず、舞台もそのままでキャラを壊すこともせずに作り上げた名作であり、単なる嫉妬にしか見えない
この作品はフィリップKディックの長編小説「宇宙の眼」をモチーフにしたと思われる
中間部の世界の全体像を飛行することによって知り、セカイが一変し正しい世界に向かって渡り歩く構成は同じ
おそらくこれに、押井がうる星やつらの原作に感じた「サザエさん時空」の不条理を逆手にとって、ガッチリ理屈で固めたファンタジーアニメを創り上げたと解釈する
多くの後進者に多大なる影響を与え、アニメスタッフに「我々でも芸術作品を作る可能性がある」と認識させた、アニメのターニングポイントとなる作品である ただし、押井氏はこの後、裸の王様になってしまうが
この作品を最後に押井氏はテレビ版うる星やつらを降板、独立して活動に入る
「ビューティフルドリーマー」と言う作品に関していえば、独立した作品としても名作、しかしそれ以上に「うる星やつら」の劇場版としての価値を私は大きく挙げたい
「オンリーユー」「ビューティフルドリーマー」「リメンバーマイラブ」「ラムザフォーエバー」など一連の作品はすべて見て比べるべきであり、この作品だけで判断すべきものではないと考える
ビューティフルドリーマー、どんなに名作だろうと一番の見どころは「鬼娘ラム」なのだから
10回以上観ましたが特別な感想はありません オンリーユーから観ることを勧めます
追記
この作品を理解するためにテレビ版の「異次元空間ダーリンはどこだっちゃ」の視聴をお勧めします
同時期の押井監督作品で表裏一体のストーリーです
やや下方修正 エンディングがあまり気に入らないのです。
うる星やつらに個人的に求めるのは幸福感。
ちょっと足りないかな。