チャチャ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
隣の花は赤い。
【あらすじ 】
舞台は京都。いまいちパッとしない大学生活を送っていた地味な「私」が、バラ色のキャンパスライフを実現するため、何度も何度もループして大学生活をやり直す作品。
【スタッフ&その他】
原作:森見登美彦。(有頂天家族、夜は短し歩けよ乙女)
制作:マッドハウス。
監督:湯浅政明。
話数:11話。
【レビュー】
{netabare}ゲーテのファウストに似ているお話だなと思いました。差し詰め「私」がファウストで、小津君が悪魔メフィスト・フェレスと言ったところでしょうか。どちらの作品も、現状の自分や環境に憤りを覚えて悲観し、違う環境に身を置くことで幸福感を得ようと試みる作品ですが、結末まで何となくよく似ていました。
有り体に言えば、未来の自分は今の自分の連続的な選択の延長線上で成り立っているわけだから、どんな環境に身を置いたとしてもダメな人はダメ。つまり、自分が変わらなければ何も変わらないということなのでしょう。どうやら「私」もさんざん彷徨った挙句、最終的その事に気付いたように思えました。
この作品の特徴と言えば、何と言っても無駄に長い速射砲のような台詞回しと作画でしょう。作画の方は最初は戸惑いましたが、キャラクターデザインは日本昔話のような下手ウマな感じで味わいがあって、背景は包装紙のデザインのような色彩で、慣れれば気にならなくなりました。何を意図してこのような異様なキャラクターデザインにしたのか?その経緯はよく分かりません。おそらく好き嫌いがはっきりと分かれると思います。が、せっかくの傑作作品を作画だけを観て切ってしまうのはやめましょう。勿体ないです。{/netabare}