「BLAME!(アニメ映画)」

総合得点
73.0
感想・評価
215
棚に入れた
1197
ランキング
1077
★★★★☆ 3.8 (215)
物語
3.7
作画
4.1
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

こだわりの世界観で描かれた重厚なSF作品

地球の遥か未来であろう舞台。
人間が、かつて自ら築いた高度な都市サイバーシステムの暴走により滅亡に瀕する中、人類の生き残りをかけた戦いが描かれます。

重厚なSF感に引きずり込まれる!

序盤、強力な武器を使う旅人『キリイ』と科学者『シボ』の短く自らを語るセリフ {netabare}
どこから来た?「下。6000階層。」!!
「長かったわ。1750万時間ずっと待ってたの。」(後で計算すると約2000年!!!){/netabare}で、その舞台の深淵さと、時間の悠久さに思いを馳せて、ストーリーに引き込まれます。

徹底した精細で無機質な世界観に圧倒される!

目に写る景色は、システムが造り続けるダークで硬い金属による構築物と、かつて人間の営みがあったであろうビルの風化し朽ち果てた残骸のみ。
耳に入る環境音は、硬質な金属の衝撃音と電流の放電音と蒸気のスチーム音くらい。
わずかな人間と数瞬に見えた1種類の虫以外、動植物は無く、土や風や雨の自然も無い。
わずかな有機物である食料も単色のブロック形状で、砕いて「美味い!」と食べる姿に、風味など全く感じる事のできない徹底した無機質ぶり。
作り手の一貫したこだわりの世界観は、作品に没入できます。

束の間の休息を挟んでの戦闘の連続、息もつかせぬストーリー展開に、ラストまでもっていかれる事でしょう。

《作画について》

フルCGの作品を映画館で観たことの無い私には、CGならではのアングル移動によるキャラの追尾に、導入部では戸惑いました。
見慣れると、微細なデジタル表示は美麗で、戦闘シーンも滑らかな動きと硬質な効果音は迫力満点!
メインキャラ『づる』の可愛い造形もダークな作品の中で際立った癒しでした♪

《声優さん》

無機質で殺伐とした映像や効果音が続き、ともすれば息苦しく疲れかねない。そんな重さを和らげ、視聴感を程よく保つ影の効果が女性声優陣の声音では?

現在、人気・実力ともトップクラスの雨宮天さん、花澤香菜さん、早見沙織さんを重要なキャストに据えた点は、監督の見事な采配だと思えます。
このお三方に共通する癒し系の温もりのある人の声が、要所要所で重い視聴感を知らぬ間に低減し、観賞後の後味の良さを生んだのではないでしょうか。

《キャラについて》

魅力的なキャラ設定ですが、誰が主人公なのか、判然としない。掘り下げも少なく感情移入できないのが作品の難点かもしれません。
その中で『シボ』だけは自身の過去を語り、感情の一面を見せ、魅力的に感じました。

謎めいた男『キリイ』。{netabare}
「人間だ。」と言った彼の体は、上位セーフガードの素体らしい。
彼が、どうやって始まったのか?目的を果たす事は出来るのか?
その答えは続編で明かされるのでしょうか~{/netabare}
興味がつきません。

投稿 : 2017/06/04
閲覧 : 356
サンキュー:

20

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