norimeru さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

とっても愛に満ち溢れ・・・・・・

評判の高い「クラナド」、ついに1期を観ました。
（2011年のアニメの中にも未視聴の作品があるのですけどね・・・・。）


天の邪鬼な私ですので、すべてが肯定的というレビューではございません。
クラナド大好きな方は、ご容赦を。


正直なところ、おめめが大きいキャラクターは苦手系。
「観てみよう」と思ってなければ、食わず嫌いになっていたかもしれません。
（もちろんこれについては、観ているうちに気にならなくなりましたけど。）

作品から感じられるのは、「愛」とか「人を想う気持ち」。
朋也と渚との出会いから、物語が二人を軸にして進んで行きます。

「ヒトデ」を彫り続ける不思議な学校の幽霊（死んでないから生霊？）、風子。
紆余曲折を重ねた学校での結婚式の当日、ついに想いが姉に通じます。

過去に悲しい記憶を持つ図書館の天才少女、ことみ。
くまのぬいぐるみと手紙を見て、何よりも自分のことを思ってくれていた両親を理解します。

テニスボールが当たった渚を介抱する朋也を見た杏と椋、智代。
朋也の心がすでに渚にあることが、否応なくわかってしまいます。
渚の登場以後、朋也を想うお互いの気持ちを知りながら、微妙なバランスで過ごしてきた姉妹。
こらえきれずに涙する二人には、あれ以上の言葉は不要なのでしょう。
何も言わなかった智代の気持ちも伝わってくる、ここはほんといいシーンだったと思います。


春原くんは一人で道化の役ですが、物語のアクセントとして良いキャラでした。

しかしながら、突っ込みどころ、もしくは突っ込むべきところもあったかと思います。

肩のケガ以来、家庭にも学校にも投げやりになった朋也。
そんな彼が、偶然出会った渚に思い入れをしていきます。
なぜそれほどの思い入れになっちゃうのか、もう少し踏み込んで欲しかったです。

渚や風子、ことみなど、ことさら幼く感じさせた台詞回しも疑問です。
かわいいけど、設定が高校生ですからね。


秋生と早苗夫妻の、渚に対しての「愛」はあふれんばかりです。
ですが、私も人の親なので言いますが、熱のある子どもだけ置いて外出なんか絶対できません。
それで心を痛めてパン屋さんに職換え、という設定は共感しにくく感じました。
このエピソードは、渚への両親の愛情について、ストーリ−の「肝」にあたる部分なので余計にです。

他にもいろいろありますが、手放しで「感動した！」とは言い難いところなのです。

とはいうものの、もちろんこれは私の勝手な感じ方。
ゲームをしていませんので、背景を知らないからの感想かもしれません。
「愛」をしっかり描きたいという思いも十分伝ってきました。

そんなこんなで、「クラナドは人生」、とまでは行きませんが、良い作品だったと思っています。

すぐには無理でしょうが、「アフターストーリー」もぜひ観てみたいと思います。