101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
次代の若者たちに受け継がれた運命の行方
原作ゲームは未プレイ。
キチンと完走したのは随分あと。
アニメ版『~Zero』を視聴してから。
以前に挑戦した時は、主人公少年がギャルゲー然としたキャラに思われ序盤で挫折……。
“正義”云々についても事情があることは予想できましたが、
ちょっぴり性格が中二かも?と共感もできず……。
後年、前日譚『~Zero』である程度いきさつを知った上で、
改めて“セイバールート”に進むか……と本作に再挑戦した次第。
本作の聖杯戦争も苛烈を極めますが、
なかなか隙を見せないおっさん等の
権謀術数が乱れ飛んだ『~Zero』の後に視聴すると、
大分イージーに感じられる部分も。
敵も多くのバトルアニメ同様、
まだ割と待ってくれますし、遊んでもくれる印象。
これなら初心者の少年でもどうにか生き残れそうですw
加えて、にわかに征服王もビックリな?
ハーレム宮殿の様相を呈していく衛宮家などw
ラブコメ要素も盛り込まれたりして、如何にも軽いw
ただ一方で私は『~Zero』でおっさんたちが根を詰めて策を弄しても、
この業を断ち切ることはできないと散々思い知ってもいるわけで(苦笑)
次代の少年少女たちが持つ若さ(時々ラブコメの波動w)による
突破力にも期待し、胸をときめかせながらの再挑戦となりました。
シリーズの原点をアニメ視聴して返す返す思うのは世界観・設定の分厚さ。
古今東西の偉人、伝説、神話の類いから題材を寄り集め、
“サーヴァント”となるキャラや切り札、必殺技を構築していく手法は典型的。
ですがこのシリーズはかき集めた膨大な素材をきちんと消化して、
存在感のあるキャラクターを創造できていると思います。
神話から設定を切り貼りした、凡百の雑種アニメ等にありがちな
借り物感は本作には無いと思います。
どいつもこいつも我の強い死に損ないばかり。
退場させるのにも骨が折れますw
本作は2クール消化して主に原作ゲームの1つのルートを再現するのが精一杯。
テキスト量=ボリュームというかのゲーム業界で覇者となったという、
原作の片鱗が伝わってくるスケールの大きさ。
それは反面、未消化感という不満につながる可能性もあるわけですが、
私の場合は機会があれば、さらに別ルートのアニメ化作品等、
関連作にもチャレンジしたい。という意欲が繋がりました。
後年“凛ルート”アニメ化作品としてリメイクされた『~UBW』に比べ、
過去作である本作は画力では劣ります。
けれどスタジオディーンの作画と、
伝記バトル物で一層光る川井憲次氏のBGMが融合して、
構築されたバトルシーンには体験する価値があると思います。
さらにさらに脚本陣は、
佐藤卓哉氏(構成)→志茂文彦氏→岡田麿里氏→花田十輝氏
が強力なローテーションを形成。
アニメ界の豪腕、曲者四人がペンを振り回しても崩れない。
『Fate』の世界観ってタフでステキです。