「東のエデン(TVアニメ動画)」

総合得点
86.3
感想・評価
4753
棚に入れた
23291
ランキング
204
★★★★☆ 3.8 (4753)
物語
4.1
作画
3.8
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

ちゃろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

実写映画でありそうな作品ですね。

こういう世界には大衆に合わせた作品を作る人と大衆に合わせさせる作品を作る人がいると思います。この原作者兼監督は完全に後者です。
俺の作品は俺の作りたいように作る、すげーの作ったんだからついてこい。ついてこれないやつはセンスが悪いと言わんばかりです。

わざとなのか自然とそうなってしまうのかわかりませんがちょくちょく意味の分からない表現だったりをぶっこんできます。それはそれは「この意味はお前らにはわかるのかー?わかって当然だよねー」もしくは「ここ意味深な感じにしておくから勝手に考えとけー」と言わんばかりにぶっこんできます。だから結構物語がわかりづらい。
しかもそうやって視聴者には厳しい作品の作りなのに自分に対しては甘々だったりするのがあまり良くない。「こういう流れにもっていきたいんだけどもっていきかたがわからないから設定を曖昧にしたろ」っていう場所がいくつもあります。だからこそなおさら「他人に厳しく自分に甘い」作品に見えてしまいます。
例えばノブレス携帯を指紋認証だから他の人は使えないよと言ったすぐ後に電話がかかってきてとるシーンはさすがに笑ってしまいました。受信だけは指紋認証は関係ない設定と言われたらそれまでかもしれませんがさすがにそれは無理があるでしょう。記憶を失う件もそう。初めは何もかも忘れている感じだったのが映画の事は覚えてる。でも道は覚えてない。これも作り手側に甘い設定になってしまっています。他にもノブレス携帯があっさりとオタクにハッキングされてしまう(しかもそのままもうずっと見放題)だとか、ハッキングした人間にノーペナルティだとか…作品の世界観の設定だとか都合ではなく「そうするのが自然なのはわかっているけどそうしてしまうと話をまとめられない」という作り手側の力不足による作り手側の都合のいい設定が結構いたるところに見えてしまうのでちょっと監督の力量不足を感じてしまいます。

表現もそう、意味の分からない表現をして「どうだ、これがサブカルだ」と言わんばかりです。特に最終の全裸ニートは正直意味が分かりませんでした。なぜ全裸なの?その必要性は?第一話の主人公全裸はいいんです。意味があるから。作品の設定上の意味はなくても作り手側の、初っ端に視聴者を引き付けるっていう意味があるからそこはいいんです。でも最終の全裸ニートの意味がちょっと分からない。別に世紀末じゃないんだからパンツや衣服くらいあるでしょう。

設定が緩いのはいいんです。創作なんですから完璧な設定は無理だと思っています。サブカル的な表現もいいんです。それも一つの作品としての色だしそういう作品だっていくつもありますからね。
ただこの作品の場合、設定のレベルと表現(わかりやすさ)のレベルのバランスが悪すぎます。
わかりにくい表現、それっぽい表現、意味深な表現、そういうのをすればいいってもんじゃない。
確かに意味深な表現を多用する作品の中には視聴者が勝手に深読みしたりここはこういう意味だと解釈して楽しめるものもあります。正解を確かめようがない絵画の「モナリザ」の後付解釈の様にここはこういう意味がありそのための表現だったとか…それも一つの楽しみ方ですし私自身そういう楽しみ方をしているサブカル作品も結構あります。

ただ…ちょっと表現が難しいのですが…この作品はすごく意味深で深いテーマがあるような感じなのですが「口では偉そうに言っているけど大したことない口だけ番長」のような作品に感じてしまうんです(もちろんこの監督の他の作品すべてにそう感じるわけではありません。あくまでこの作品だけの話です)

物語としてはサスペンスらしいのですがいわゆる「ゲームもの」のような気がします。理不尽なルールに巻き込まれるってやつですね。アニメではあまりない設定かもしれませんが、漫画やドラマなら結構ある設定です。日本を救うためというのが目的の様なのですがそこの入りも曖昧なまま深く掘り下げず話をスタートするというものなのですがそこはもう「お約束」なのでしょうがないですね。全裸拳銃も正直突っ込みどころ満載なのですがそこも冒頭で視聴者を引きつけるための演出だと思えば成功していると思います。

あと、作画がいいですね。人物像は好みの分かれるところだとは思いますが風景がキレイでいいですね。

キャラは普通です。

この時期の作品の多くはファンタジーだったり萌えだったりが多い中、こういう作風のアニメはどちらかというと異色であり目立ってインパクトが強かったのではないでしょうか?特にそういうライトなアニメに見慣れてきたころってちょっと違う系統のアニメを見たいと思うようになると思いますしね。この作品がここまで評価が高いのはそういうタイミングとうまくかみ合ってファンを獲得したのではないかと勝手に考えています。

投稿 : 2017/05/30
閲覧 : 207
サンキュー:

2

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