チョビ0314 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
最大の謎は初期OPにあり
名義上タツノコの作品ですが事実上Production I.Gの前身であるアイジータツノコの処女作です。
更に京都アニメーションが関わっており、バラつきはあるもののかなり綺麗な作画の回があるのも頷けます。(かなり低予算だったみたいですが)
この作品は話のテンポがスゴく良いです。
セル画の出来が悪くても展開でカバーするという演出なので、気持ちよく見れて当時かなりワクワクしました。
動きが大きくなる戦闘シーンでは上手なバンクの使い方で節約しつつ、曲芸的な格好良さを織り交ぜ魅力をUP。
日常シーンでの会話は軽妙でテンポが良く、とてもお洒落な感じがします。
そして魅力的なキャラクター陣のラブコメ要素も入れてくれるので、見てて飽きませんでした。
更に敵キャラが特徴的なんですよ。
ノーザ軍司令官のアドニスを筆頭に様々な敵キャラが登場します。
基本的に鎧に仮面のような外見で変化に乏しい感じのデザインだけど、眼の色や身体の動き、声の抑揚等様々部分で喜怒哀楽を表現されていました。
ちなみに人間のような初期案もあったそうですが、「ジリオンに撃たれて消滅する敵が人間っぽいのはイカン!」という事で仮面のようなデザインになったみたいです。
中でも特徴的だったのが速水奨さんが演じるバロン・リックス!
ジリオンの銃撃も余裕で避けるわ、なんでも斬っちゃうというチートじみた強さでホワイトナッツ(主人公チームの名称)を幾度も窮地に追いやります。
特に関俊彦さん演じるJJに対して異常なまでの執着ぶりで、ノーザ軍と袂を分かってまで追いけます。
元味方でも邪魔をするなら真っ二つにするし、今で言うストーカーみたいでした(笑)
しかしその最後は大変潔く、且つ哀しかったですね。
そしてこの作品の面白い部分がメカです。
パワードスーツに変形する三輪バギー、サイドカー、巨大輸送機、航空機、地上用輸送車両、潜水艇等と様々なメカが登場します。
でも主役メカはタイトルにもなっているジリオンという謎の銃なんですよ。
「カキューン!!」という独特な発射音で敵を消滅させる究極の銃!
しかし何せ銃なもんで毎度当たり前に持って使われてるし、強いんだけどすぐエネルギー切れという感じで、主役メカという印象は薄い変わった主役メカです。
元々SEGAが販売していた玩具ジリオンの販促アニメだから、正直いってむりやり捻り出した設定だった様に思えます。
あとSEGAといえば、とあるスーパースターが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
そのスーパースターとはKing of Popマイケル・ジャクソン。
マイケルのSEGA好きは有名で、「自分がモデルのキャラなんだから是非自分にやらせてくれ」と言ってゲームに出ちゃったりする程でした。
(スペースチャンネル5パート2に出ています)
そんなマイケルの「Scream」という曲のPVに日本のアニメーションがいくつか使われていまして、その中の一つがジリオンです。(他はAKIRAとかバビル2世とか)
SEGA大好きのマイケルだけに、ジリオンを選んだ理由の一つになってたのなら嬉しいなぁ…
かなり昔の作品なのでデザインは古臭く見えるだろうし、画も粗いと感じるでしょうが、意欲的なアイデアで様々な作品に影響を与えたアニメなので色々な方に見てもらいたいです。
あ、最後にタイトルの謎解きをします。
初期のOPでJJがジリオンを指でクイックドローっぽく、クルクル回すシーンがあります。
しかし初代ジリオンにはトリガーガードがないので、そのままだと回すのは物理的に不可能。
無いように見えて実は透明パーツがあったとか、指に括り付けていたとか色々考えることはできますけど、結局この謎は今でも謎のままです(笑)
追記、多少訂正いたしました。