STONE さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
草薙 素子無き後
原作は未読。
「GHOST IN THE SHELL」の続編で、草薙 素子がいなくなったため、残されたバトーが
主役。
決して投げやりとは言わないが、バトーの行動になんとなく虚無的なものを感じるのは、
草薙がいなくなった寂しさなのだろうか?。
結構、激しいアクションがあるものの、バトーの心情を反映しているのか、全体的には静的な
ものを感じる。
展開的にはバトーとトグサの捜査を軸としており、トグサが妻子ある家庭人ゆえに、その
対比としてよりバトーの孤独さが際立つ。
望んで孤独でいるような感のあったバトーだが、やはり一人は淋しいのか犬を飼っていると
いう一面が見られる。思えばテレビシリーズにおけるタチコマに対する態度なども愛する
ペットに対するものに近く、かなり情の深いタイプみたい。全体に冷たい雰囲気が漂う本作に
おいて、この犬が結構、癒し要素があったように思える。
この犬に関してはそれだけではないようで、本作の事件における重要モチーフの
ガイノイドが人の姿を得て、ゴーストを持ちながらも愛玩用としての存在でしかないという点に
おいて、ペットと変わらないということを示唆しているような。
バトーの活躍は見応えあるものの、草薙のいない状態に物足りなさを感じていたが、
最後に草薙登場。視聴者としても嬉しかったが、それ以上にバトーが嬉しそうな感が。まあ、
姿を拝見できなったのは残念ではあったが。
テーマ的には前作にもあった自己認識の問題などは本作でも触れられているが、特に本作では
製造物に宿るゴーストについて焦点を当てている感があった。
世界観を体現した背景美術は相変わらず素晴らしく、更に前作より時を経たため作画
そのものもパワーアップ。この映像に合わせたようなBGMも独特の雰囲気があって良い。