ぷれんばにら さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
What's next on "your" BACCANO! ?
{netabare}いわゆる「群像劇(主人公が特定されていない物語)」というジャンルに分類される作品。本当によく出来ているアニメだと思います。
原作者・監督・シリーズ構成は、それぞれあの「デュラララ!!」と同じ、成田良悟さん・大森貴弘さん・高木登さん。「デュラララ!!」もそうですが、複雑かつ絶妙に入り組んだストーリー展開を追うのに非常に頭を使い、またそれがとても面白くて快感です。
というのは、作品を観ているうちに、今ある話が一体いつの話なのか、どの登場人物のどういう話と繋がっているのかが分からなくなってしまうことがあるのです。それを自分で考えて「あ、そういうことだったのか」と気付く瞬間がたまらない。
2011年に発売されたブルーレイボックスの冊子にも書いてありますが、視聴者を「分からなくさせる」演出は、制作スタッフの明確なねらいのようです。「いかに『見せるか』よりも、いかに『見せない』か」「視聴者をいかに煙に巻くか」といった文章に、本作品の特徴が良く表れています。
おそらく初めてこの作品の第一話を観た方は「何だこりゃ?」と混乱するかもしれません。しかしそこで観るのをやめず、是非とも最後まで観て下さい。きっと様々な場面が自分の中で繋がって「バッカーノ!」という作品がどんなものかが分かってきます。しかし全てを覚えているわけではない(と思われる)ので「どうしてあの場面はこのタイミングで出てきたのだろう」とか「この登場人物は何のためにいるのだろう」とか、そうした疑問も残ると思います。そうしたら時間を置いて、もう一度最初から観てみて下さい。きっと新たな発見があり、物語の輪郭も1回目より鮮明になるはずです。そうして何度も観ていくうち、煙の中に潜む「バッカーノ!」の姿が見えてくると思います。
1930年代前半のアメリカが主な舞台であり、その街並みや風景が見事なまでに綺麗に描かれています。またそれを引き立たせるビッグバンドのジャズも最高!しかしこの作品の最大の魅力は「観れば観るほどその面白さが増していく」ことだと私は思います。
いずれにせよ、超面白い作品です。皆さんも是非何度も繰り返し観て、自分なりの「BACCANO!(大騒ぎ!)」を探してみて下さい。{/netabare}