ようす さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
侍たちが生きた時代の物語。剣に託して戦うものを見失った男たちの旅。
2004年放送の作品。
江戸時代が舞台だけれど、
現代の文化もさりげなくミックスされています。
なんだか全体的にDJっぽく感じるところとか…。笑
時代劇らしさを強く感じないのは、
きっとそのせいでしょう。
でも茶屋でお団子食べていれば、
一気に時代劇感が増す不思議w
全26話です。
● ストーリー
天涯孤独の身である少女・フウは、
“向日葵の匂いのするお侍さん”を探す旅に出ることを決意。
バイトしている茶屋で偶然出会った、
強いやつを斬ることしか考えていない男・ムゲンと
寡黙な剣士・ジンを、
用心棒として連れて、
まずは江戸を目指して旅が始まった。
フウちゃんが探している人を見つけるため、
3人でいろんな街を旅していきます。
そこで出逢う様々な人たち。
命を狙ってくる相手。
不幸な境遇に苦しむ人。
話は1話完結のものが多いですが、
どれもなんだか救われない…。
重い、暗い、ずーんとくる。
うーん、
観ていて面白さや爽快さは感じられなかったです。
ジンもムゲンも、
斬ることしか能がないですし。笑
相手に勝ったから、めでたしめでたし。
となる展開が多いのですが、
結果的には
何も得るものがない戦いにしか私には思えませんでした。
みんなが幸せになるわけでもないし、
3人の絆が大きく深まるわけでもないし。
気ままに旅をし、やりたいように生きる。
気に入らないことは力でねじ伏せる。
そんな自由さと粗っぽさが気に入る人には、
とことんハマるのかも。
キャラは女性受けもよさそうですが、
ストーリーは男性向けなのかな?と思いました。
時代背景もあるのかもしれませんが、
金・権力・女が前面に見える世界観でした。
また、この作品では、
死があっさりと描かれています。
死ぬって、
こんなにあっけないものなのか。
人が簡単に、たくさん死ぬ。
そういう時代だったのか…。
人ってこんなにあっけなく死んでしまうものなのだと、
平和な現代でのうのうと生きている自分には、
死ぬことの簡単さが思い知らされたように思います。
● キャラクター
純粋に強さを追い求める男たち。
強い人と戦える幸せと喜び。
それに命をかけるなんて…と思いたくもなるけれど、
それはある意味理想的な生き方なのかもしれない。
死と隣り合わせに身を置くことで、
自分が生きていることを実感する。
ムゲンもジンも、
そういう男なのでしょう。
それとも、
“それしか道がない”男なのかな。
生きる理由も、目的もない。
それを見つけるために戦っているのかもしれないし、
そんなこと全く考えていないかもしれない。
考えていることがわからない2人です。
ダークヒーロー的存在でした。
唯一明るいキャラが、フウちゃん。
したたかな性格で、私は好きでした♪
女の人たちの艶やかなシーンも多い中で、
まだまだ子ども扱いされて女として見てもらえない姿は、
むしろ私には好印象。
フウちゃんがムゲンとジン、
どちらをより強く想っているのかも気になるところでした。
● 音楽
【 OP「battlecry」/ Nujabes feat.Shing02 】
歌詞はすべて英語。
曲と呼んでいいのかな?
あまり抑揚がないので、
ラップのようにも聞こえる。
OPもEDも、
おしゃれな雰囲気が優先されているように感じました。
【 ED「四季ノ唄」/ MINMI 】
私はEDの方が好きでした♪
他にも特別EDが数曲ありましたが、
どれもよかったです^^
● まとめ
よくまとまった、良い終わり方でした。
いつでも死と隣り合わせの2人だから、
いつ死んでもあり得る展開だと、
何度もハラハラさせられました。
特に18話からの第2部は、
いよいよ旅のゴールが見えてきた&強敵の連続に引き込まれました。
それまでの旅がもっと見ごたえあればなー。
私の好みの話ではなかったからなー。残念です。
しかし、このような侍旅物語としては、
なかなか良い出来の作品だと思いました。