ちあき さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
色々、色とりどり
人間の心理状態や性格的傾向を計測し、数値化できるようになった世界。あらゆる心理傾向が全て記録・管理される中、個人の魂の判定基準となったこの計測値を人々は、「サイコパス(PHYCHO-PASS)」の俗称で呼び習わした。
これが第一期から続く「病んでるな、この世界」と私が思った本作の設定。この世界観の基、物語がどのような結末に向かうのか、第一期からずっと期待しながら観ていました……が、第二期の結末は消化不良。どうしてこういう世界になってしまったか、その過程も本作では示したかったのかなと思います。ということで、本作の結末は、結局劇場版を意識してか、肝心の所は次回持ち越しといった感じですかね。
劇場版次第で評価が変わると思います。劇場版に期待……。
【本作を観て感じた事】
まず感じたのが「完全完璧に囚われている。それがおそらく病気なのだ」ということです。
本作において、人間の心を計測する上で、それを示すバロメーターとして色相があります。人の心の在り方が色によって視覚化されているわけです。そして澄んでいれば健全、濁っていれば不健全といった具合です。
話は少し変わりますが、「色」自体も面白くて、理論上、光の三原色だと混ぜ合わせると白、色の三原色だと混ぜ合わせると黒になります。自然界の色を全て混ぜると無彩色(白と黒との混合で得られる色=白と黒を含む色)となるらしいです。これは明度の変化のみで白~灰色~黒に見えるようです。
ちなみに私達が赤やピンクといったように名前を付けている「色」も、実際には赤とピンクの間にも数限りない色があります。人によって、同じ色をピンクといい、また別の人は赤ということもある。
捉えどころのない「心」というものを表現するのに、このように「色」を使っているのは、なかなか面白い比喩だと思います。
こういう色自体の知識を基に、本作の設定で使っている心の色(色相)を当てはめて考えてみると、本作への見方もより一層面白くなるのではないかと思います。
純白に澄んでいく事、どす黒く濁っていく事、白も黒もどちらも根本的には同じようなものなのかもしれません。だとしたら完璧な色っていうのはそもそも何色なんでしょうかね……。
※追記(第二期、劇場版を観終わって)
第一期~劇場版まで観て物語全体を考えると、私は一応終わりを迎えたのかなと思います。まだまだ続きを制作できるような終わり方なので、「完結!」とは言えません。つまるところ第一期と同じような終わり方です。ただ、そこからの選択は私達視聴者が考えてもいいのかなとも受け取れました。つまり、肝心な所は結局「私達の意志次第」ということですかね。理由は劇場版のレビューをご覧いただければと思います。