どらむろ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
オカルト(超常科学)猟奇サスペンス!詰め込み過ぎでコアな作風ながら、引き込まれる
「シュタインズ・ゲート」等の科学アドベンチャーシリーズで知られる、志倉千代丸先生によるライトノベル原作、全12話。
「都市伝説」や「オカルト」を、大真面目に科学っぽく追及していく感じの、ミステリー&猟奇サスペンス。
…オカルトに疎いと、前半は煙に巻かれがちなんですが、驚きの事実が判明していく中盤以降グングン引き込まれます。
超早口なのが特徴。グロ注意。
{netabare}『物語』
舞台設定とか登場人物のノリは、いかにも都会的でオシャレなサブカル感が。
ウザい主人公や変人揃いな仲間達のノリでまず煙に巻かれますが、こういう雰囲気…からの、猟奇殺人…そして現代科学の常識を逸脱した超理論によるオカルト全開なミステリーが深まっていく…
とにかく、最初のうちは(いや、後半以降も終始)煙に巻かれる感じでした。
かなり猟奇的で凄惨な一方で、オカルト理論に科学的(っぽい)解釈で迫っていく過程は、よく分からんけれど、エキサイティングでした。
…私は浅学なもので、オカルトの理論面は(お、おぅ?なるほど?)状態でしたが、そこは流石は科学アドベンチャーシリーズの作風だけあり、次第に(なるほど、科学的にも現実にあり得るかも!?)と思わされていく説得力はかなりのものがありました。
こういうのも「SF」(空想科学)の醍醐味でしょうか。
タイトル通り「9」人の群像劇な側面あり、ただこの面では、謎が深まるばかりで、個々のドラマは分かり辛い感じ。
兄妹の禁断の愛とか、結構ヤバそう(好物)な要素はちょこっとあったけれど、掘り下げるには尺が足りてない。
中盤6話以降、驚きの事実が判明!
なんと主人公たちは全員{netabare} 既に死んでいた{/netabare}!?
なんたる叙述トリックか!
本作は6話以降が面白さ加速していきます。
黒幕の説明役(CV:大塚芳忠さん)の超早口でその理屈が解説されていくのですが、「科学的に現実でもありそう!?」なオカルト理論の説得力が、立て板に水な黒幕の早口台詞で、納得させられそうになる。
…浅学な私には理屈はサッパリ分からん!でも聞いていると(り、りろんはしってる)と錯覚させられていく!
面白い!
理屈は分からずとも、オカルティックな雰囲気に飲まれていく感じが本作の魅力でしょうか。
この後色々あり、最終的には主人公がもたんが切り札となって活躍するものの、ラストは消化不良だった感。
がもたんが切り札な理屈は分からんが(主人公特有のパワーなんだなー)と。
総じて、科学的(現実)には無さそうだけど、もしかしたら科学的にあり得そう!?なオカルト理論を、早口でまくし立てられつつ、煙に巻かれつつも、中盤以降はグイグイ引き込まれる面白さでした。
ただ、群像劇としては微妙なのと、最終的にどうなったのかよく分からんのが難。
(私の理解力不足かも)
面白かったです。間違いなく面白かったのですが…視聴中も、視聴後も「煙に巻かれている」そんなアニメでした。
『余談』
ニコラ・テスラは偉大な科学者にして発明家で、かのエジソンのライバルとしても有名。
2016夏アニメ「タイムトラベル少女~マリ・ワカと8人の科学者たち~」では8人から外れてましたが、このお題だと外せぬ偉人の一人でした。
『作画』
キャラデザが好みじゃない。
りょーたす可愛いんですが、巨乳過ぎてちょっと…。
猟奇的なグロさは、本作の持ち味として良し。
全般的にオシャレな雰囲気や、サスペンスを煽る演出は良かったです。
『声優』
全般に超早口でまくしたてる感じ、序盤はウザいけれど、後半ハマってくる。
がもたんの梶裕貴さんは、いかにも梶さんらしい持ち味のヘタレではまり役。
能登麻美子さんの妖艶こわい系のお姉さんも良かった。
全般的に豪華ですが、MVPは黒幕解説役の大塚芳忠さん。
同時期「亜人」の佐藤さんと並び、存在感バツグンでした。
『音楽』
オシャレでスタイリッシュな感じ。
歌詞は結構核心を突いた良主題歌だった模様。
…分かる人には分かる、浅学な私にはピンと来なかった。
『キャラ』
都会的な群像劇で個性的なキャラ多いのですが、煙に巻くミステリー先行で、個々のキャラはそこそこでした。
主人公のがもたんこと我聞悠太は典型的なオタク像を強調したようなキャラでウザいのですが、それは内弁慶な虚勢であり、次第に猟奇的オカルトに追い詰められていき弱い本性見えてくる過程含めて、嫌いでは無いです。
…ただ、終盤以外では、主人公としては微妙。
ヒロイン?のりょーたすは不思議ちゃん系で可愛いのですが、単にマスコット以上の印象は薄い。
実はただ者じゃなかったとか、いきなりやられても。
強いて言えば包容力の高さ。でも関係の掘り下げが足りないので微妙。
あと個人的に巨乳過ぎない方が…。
真面目で頭の固い現実主義者・橋上サライの方が若干主人公していたような。
オカルト科学物には必須なタイプか。
この他、能登さんボイスのお姉さんと、女子高生でFBI捜査官でサイコメトリー能力者という中二ヒロイン感満載な鬼崎あすなの方が印象的。
敵?では外道なサイコパス猟奇少年が胸糞悪い。
黒幕幹部では、芳忠さんボイスの人が主人公たちより目立ってました。{/netabare}