MLK さんの感想・評価
2.1
物語 : 1.5
作画 : 2.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:途中で断念した
無題
「鉄腕アトム」といえば、知らぬ者はいないだろうという有名作品であるが、その前日譚としてこの作品はあまりに間抜けである。
まずアニメーションとしてあまりにお粗末だ。
原作漫画の絵と比べて全体的にキャラクターが丸みを帯びているが、そのせいで絵の勢いが失われ全体的にアクションが映えず、やり取りの緊張感も失われている。作品の筋自体も一応ちゃんとしたストーリーものなのに、パレードのシーンの妙な間や掛け声など、作品全体がシュールギャグとしか思えない。
監督の本弘氏は、「踊る大捜査線シリーズ」や「少林少女」など悪名高い作品を世に送り出してきた方であるが、やはりアニメでも才能をいかんなく発揮しているようだ。(氏の悪行に関してはライムスター宇多丸氏の映画評を聞かれたし)
ロボットの造形や科学の進歩の描写にしても、あまりに古い。鉄腕アトムの世界観を大事にしたという言い訳もできるだろうが、鉄腕アトムの時代から数十年分のSFの進化を経験してきた我々にとって、あののっぺりとしたロボットや街並みを信じろという方が無理な話である。手塚治虫だって、今生きていたとすれば現代風にアップデートしたはずである。
そもそも、なぜ今この作品をアニメ化したのか。
最近のNHKのアニメのプッシュのやり方から察するに、アニメそのものには大して愛着がない人間が、浅はかな考えで戦略を練っているのだろう。
「アニメだ?アトムの看板背負ってりゃ予算が通るだろ、この人実写で売れたしアニメオタクだから良いもの作れるはずだ、こいつにやらせろ。話題になった深夜アニメの再放送はバンバンやれ!ラブライブ大好きだから放送しまくるし、お気に入りの南條愛乃はエンディングで使うぞ!」
NHKよ、いい加減にしろ!
紅白といい大河といい、受信料払う価値のある番組を作れ!