oneandonly さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
自分の人生に自己責任と覚悟を持つこと
世界観:6
ストーリー:7
リアリティ:4
キャラクター:6
情感:7
合計:30
平凡で穏やかな日々を過ごしていた男子高校生・高坂京介。
だが、彼の日常は妹・桐乃の「人生相談」で急変する。
人生勝ち組でリア充な桐乃は、実はアニメやゲームが大好きなオタク趣味の持ち主だったのだ。(以下略)
(公式)
1クール物であにこれの評価が高いものの中から、いくつかレビューを見て選択しました。ラノベ原作で、避けたい衝動に駆られるタイトルなので、レビューを見なかったら、引き続きスルーしていたと思います。
{netabare}妹系エロゲが好きな女子がどれくらいいるのか、私にはわかりませんが、極めて少ないながらも、全くのゼロではないのだろうなという感覚です。
なので、この設定においてリアリティの評価を下げる必要はないと思いますし、その妹の趣味に気付いた兄の対応(ここは寛容な主人公なので、ハードルはありませんでしたが)、堅物親父と価値観を押し付ける親友との関係修復などにはリアリティを感じました。3話で既にひとヤマあって心動かされましたが、好きなものを好きと言って何が悪いのか、世間体を気にする必要があるのか等、結構真面目なテーマです。
兄弟についてですが、桐乃はいかがわしい趣味がありますが、自分がその対象となるような関係を望んでいるわけではなく(兄に対してキモイを連呼。ツンデレと言われたりもしていますが、恋愛的なデレはない)、兄は3話のラストでタイトルコールをするのですが、これも家族愛で、この距離感は良かったです。まあ、自分に妹はいないので、実際に妹(兄)のいる方に言わせればこれもかなりイリュージョンなのかもしれませんけど。
社会的に低俗と思われている趣味等はいかがわしいアニメ・ゲームに限らずあると思いますが、最終的には反社会的なもの(他人様に迷惑をかけるもの)かどうかが問題と思います。反社会的なものでなければ、個人の嗜好で自由でしょう。もちろん、それが人格に悪影響を与える等の不安があるため、親や親友が軌道修正させようと思うのでしょうが、その影響の因果関係が確実かは、作中にもあったとおり不明であり、犯罪をする人は趣味の種類にかかわらずある程度は存在するものです。
人間、ちょっと別の顔を持っているくらいのほうが魅力が増したりもしますし、全然良いと思いますけどね。本人にとっても、様々な人間関係を作ることはプラスでしょう。
親の立場としては、ある程度の時期までは必要な範囲で良い方向に導かなければならないと思いますが、それは本気度を確認するまでのこと。分別がつく頃になれば本人の意思を尊重しなければならないと思います。そもそも家族を持ったのは親のエゴで、子供からすれば勝手に生んでおいてその生き方を拘束されるなど理不尽も甚だしいとも考えられますから。{/netabare}
学生時代の有り余る時間で、ゲームに嵌って、深夜アニメを見まくって、後で時間の浪費だったのではないかと思ったとしても自業自得。若者に対する、自分の人生に自己責任と覚悟を持つようにとのメッセージにもなるのかも。
終盤はいい加減、リアリティ面に難を感じる場面が増えてしまいましたが、ちょくちょく心に響く台詞もあり、12話まで良作評価でした。さくら荘のように、タイトルで損しているタイプの作品だと思います。
(参考評価推移:3話4.0→7話3.9→8話4.0→13話3.9→14~最終話3.8→調整3.7)
(2017.5視聴→2017.6調整)