ちゃろう さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
もったいない
世界観というかつかみの設定がすごく良かったと思います。
ただ、ラノベ特有の強引さが目立ちました。
会社名、名前がはっきりしているのに2年以上茅場を逮捕できないことに無理がある。ゲームクリア云々の前に外の人間がしっかりしっかりすればそれで問題はあっさり解決できたことだと思いますし外からログアウトできる技術がないこともちょっと違和感を感じます。
SAOってレベル制で数字が上がるだけで強くなるんだからその辺の雑魚を2年も倒し続ければそれだけでも最強レベルになると思うのですが。ドラクエでのスライムだけ倒し続けてレベル99にするってやつですね。そういうことをする人が誰もいなかったんだろうか…。兵団とかあるんだからその兵団の全員が最高レベルにすればいいんじゃないの?それで全員最強装備にして回復アイテム復活アイテムを大量に持てばある程度安心して進めると思うのだが誰もそんなことしない。死ねば現実でも死ぬんだからそのくらいの努力は当たり前だと思うしそうすることが普通だと思うのだが…
ALOでも二刀流のスキルが無くなったはずなのになぜか二刀流になるし、もっと回復アイテムとか持ちなよ。とか色々思うところがありますが…
そもそもなぜアスナは死んでないのかわかりません。
ただこの手の「映画ドラえもんでもっとこの道具出せばあっさり解決できるだろ」的な違和感は全然許容範囲です。
つかみとしてはすごく面白かったのですが、物語としてはすごくライトな上、細かい設定がゆるゆる、行き当たりばったりというか勢いだけの印象を受けるのがもったいないように感じました。もっとゲーム感を出してもいいんじゃないかな?
設定に無理があったり、その設定ならもっとやりようがあるのになぜしないんだという違和感やもっとその設定をいかしなよとか…やりようによってはもっともっと面白くなりそうな可能性がある気がします。だからこそもったいないと感じました。
ゲームに閉じ込められてゲーム内の死が現実の死だという面白い設定だったにも関わらず半分でその設定が無くなってしまったのは残念でした。
しかも抜け出すには最上部の第100層のボスをクリアするという壮大で重厚なものだったにもかかわらず途中でボス登場、しかもそのまま倒しちゃうってあっさりしすぎた展開。観ていて「え?もう終わり?」ってなっちゃいました。それはALOでも同じ、いわゆるボス戦特有の盛り上がりがなく塩味クライマックスでした。
つまり悪い言い方をするのなら出落ちというか、典型的な右肩下がりの作品なんですよね。だけどこの作品の場合最初のつかみの設定が本当に素晴らしくそれだけで心をつかまれた人も多いと思います。異世界に転生するというのは古くからあったのですがゲームの世界に閉じ込められる、そしてそれを現代風に見事に昇華させたことは素晴らしい。
恋は盲目という言葉があります。恋におちると、理性や常識を失ってしまうとか良い所ばかりが目に映り、悪いところが見えなくなるということらしいです。これは本当にその通りで、一人のキャラに惚れ込めば話はいまいちでもその作品が好きだと思えるように、この設定に惚れ込んだ人はそういう右肩下がりも気にならず好きになれると思います。
特に転生ものを見たことがない人にとってはものすごく斬新な設定に思えるでしょうしほれ込む人も多いのではないでしょうか。
私自身ほれ込むとまではいきませんがつかみの設定の素晴らしさはしっかりと感じ取っておりますし楽しめました。
作画もきれいだったしアスナもかわいい。
主人公無双の展開が鼻につく人も多いようですが個人的には全く気になりませんでしたし、どっちかっていうと好きなタイプの主人公でした。
自分でチートだって理解してるしあくまでゲームの世界ですからね。
作り方次第で大人も楽しめそうな作品ですがこの作り方だと少し子供の方が楽しめるのではないでしょうか