カンタダ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:今観てる
安易なお涙頂戴だが
乙女とはいろんな意味で危うい存在だ。心といい身体といい、発達過程にあって均衡が取りづらく、不安定な年頃だろう。
そこに美しさまで加われば、その不安定な度合いに拍車が掛かり、周囲の男らは彼女たちを放っては置けなくする。
この物語はそんな美少女たちを、過酷であろう戦場に送り出す主人公の視点で描かれている。美少女が戦場の花と散るのを黙って見過ごすわけにはいかないのは当然の心理で、主人公はどうにか生きて帰ってこられるよう古傷が痛むのを押して彼女たちを鍛え、武器を整える。
しかし、どれだけ万全を期そうとも必ず帰ってくる保証はなく、戦場に送り出した後は無事に返ってくることを祈るしかできない。従来これは女の仕事だったが、本作はこれを男である主人公に担わせているところが新鮮だ。
アニメの常道としてか、萌え要素もふんだんに散りばめていはいるが、大人な男性である主人公は安易にデレたり、大して取り乱しもせず、冷静に自分の与えられた仕事をこなす姿は、観ていて安定感を感じさせてくれるので好印象だった。
{netabare}だが、4話目はいけない。これでは青年男子と同程度の精神力であり、まったく見るに忍びない。仮にも勇者に準ずるほどの歴戦の雄だった男がこんな脆くて弱い精神でいいのか。傍目も気にせずヒロインに抱きつきすがる様は、はっきり言って醜態だ。
せめてもう少し自粛してはどうか。せめてもう二人も一緒に抱いてやってはどうか。感動的場面であることは理解できるし、観る者の涙を絞りたいのはわかるが、単純にやりすぎで白けてしまった。このあたりはアニメの「軽さ」と批判されても仕方ない。今後の展開が不安になってきた。{/netabare}
続けて観るつもりだが、悲劇的要素を多分に孕んだ設定であるので安易なお涙頂戴に流されずに、冷静な作品であることを切に祈る。