どらむろ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「俺妹」からネガティブを排した、ラノベ版「バクマン。」ハーレム萌えバツグン!
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の伏見つかさ先生による、もう一つの妹萌えライトノベル、全12話。
高校生のライトノベル作家の主人公が、義妹含めた3人の美少女中学生(イラストレーターと人気ラノベ作家)と良い感じに萌える展開に…
全面的に良い意味でのラノベらしい設定と展開から、ヒロインたちの可愛さが加速していく。
…名作なのは俺妹だけど、本作の方がより「ストレス少ない、あざとい萌え特化」
ブッ飛んだ設定と、実妹→義妹に変更で、安心して親しみ易いです。
それ以外でも、若き作家たちの情熱も結構良かった。
{netabare}『物語』
とにかく主要キャラの設定と関係性があざとい。これでもか!と畳みかけるようなあざとい設定は圧巻(慣れないと唖然…)
主人公の和泉正宗は高校生で(マイナーとはいえ)プロのラノベ作家、義妹がひきこもり美少女しかも、実は自分の作品のイラストレーターだった!
しかも、隣に引っ越してきた美少女(あるある)は、政宗より売れっ子作家であった!
しかも、政宗より遥か格上の人気作家は実は年下美少女で、しかも自分のファンで云々…
あ、あざとい。現実ではあり得ない、でも物語(ラノベ)ならば必然となる!
…ネックとなりそうなのが「中学生高校生という子供が大成功収めているご都合設定」が気に入らない…とか?
んなもん関係ない。これはアニメだし。ラノベですから。
ラノベのハーレム萌えらしい、あざとさ全開の萌えを展開しつつ、ラノベ作家版「バクマン」でもあり、政宗とヒロインたちのラノベ(紗霧ちゃんはイラスト)にかける情熱が交わり…これもまたヒロイン達の可愛さに繋がっていく。
彼らはクリエイターとして共通する精神的土台があり、それが、通常のラブコメ(ラノベのハーレム物)の生々しい部分を排して、独特な萌える関係性構築しているのが魅力。
クリエイター同士が惹かれ合う関係性で、(良い意味で)リアリティーが無いです。
リアリティーをかなぐり捨てる事で、高校生プロ作家が中学生美少女人気作家からハーレム状態という、異常事態感が次第に麻痺してくる…
政宗と紗霧ちゃん、義理とはいえ、高校生と中学生が惹かれ合うアブノーマルさを、クリエイター同士のリスペクトにより、ピュアな関係性を印象付けられました。
「少女たちは荒野を目指す」「冴えない彼女の育て方」など(ジャンルはゲームだが)同様のクリエイターのヒロイン萌えと比して、ネガティブさが無いのが本作の強力な強みでしょう。
…中盤のムラマサ先輩絡みの対立も、その後の強烈なデレに繋がるので文句なし。
政宗先生の、売れっ子か微妙なプロ作家の焦り辺りは正直求めて無かったですが、クリエイターのドラマが後々萌えに繋がる辺りは流石。
超人的な天才児ヒロイン勢に対し、主人公は平凡(と言っても高校生でプロ作家は十分凄いが)で、それでも作家としての矜持と真っ直ぐな情熱は(ラノベ的なご都合含めても)青春物としても普通に良かった。
それもリアル過ぎるネガティブは排して、作家たちの萌えに特化していく、凄いです。
…小難しい理屈は抜きにしても、とにかくヒロイン達があざとくかわいい!
デレて以降もマンネリせずに可愛さがインフレしていく!
特異な設定でこれを押し通す!
最高です。
単なるハーレム萌えに留まらず、意外と真っ当なラブコメとしても良く出来ている。
天才児特有のクリエイター的価値観の交錯が、きちんとラブコメに昇華されている。
紗霧ちゃんが兄取られるかと脅かされる波乱もありつつ、あまり深刻化せずすぐに萌えに移行するストレスフリー。
終盤(最終話手前の11話)の政宗と紗霧ちゃんの出逢い、互いの正体を知らずに作家を志す話が非常にドラマチックでした。
ここまで来ると、ラノベのご都合主義さえ通り越し、運命的な尊さしか感じない!
このエピソードにより、本作全般の評価が更に一段上がりました。
ラストも徹底的にあざとい萌えに特化、もう満足感しかない…
総じて…全面的に良い意味でラノベご都合主義により、不快なリアリティー排しつつ、萌えに特化してました。
「俺妹」(正式には「俺の妹」と略すらしいけれど俺妹と記述)の難点を、徹底的に改善した理想的な萌えラノベかも。
ご都合主義とは即ち、創作(したり、楽しんだりする)ツールであり、受け入れてさえしまえば、圧倒的に楽しい。
萌え作品として、こういうのを求めてました!
『作画』
俺妹と同じく、かんざきひろ先生のキャラデザ可愛い。
A-1 Picturesの動画も合わさり、非常にあざとい可愛さ発揮。
赤面シーンがあざといです。微エロもあり、下品すぎずに「エロ可愛い」絶妙なライン。
巨乳中学生ひとりの他は、年相応なのも好印象(ちっぱい派だ!)
絵的に萌えられるのは、萌えアニメとして強い。
『声優』
紗霧ちゃん役の藤田茜さんが抜群にはまり役。あざとい!
松岡禎丞さんも安定感抜群でした。
高橋未奈美さん、 大西沙織さんも全く文句なし。
めぐみんの木戸衣吹さんは小悪魔系、木戸ちゃんになんてことを言わせるんだ…
俺妹の京介だった中村悠一さんが、本作主人公の父役という配役の妙も良い。
中々に感慨深いです。
『音楽』
OPは紗霧ちゃんの心情が、EDも含めてキュートな感じ、ちゃんと主題に沿っていて好印象。
『キャラ』
高校生と中学生の天才クリエイターたち。
ヒロイン3人は中学生にして創作の天才たち。
クリエイターの天才ってこんな感じかな…と受け手に思わせてくれる。
政宗先生はエロマンガ先生に対しては保護者目線な為か、俺妹の京介よりも不健全さが薄れている。
クリエイター同士のリスペクトも清々しい。
ラノベ主人公の典型な朴念仁も、創作バカ(誉め言葉)という事で許せる。
ここら辺、やはり俺妹の難点(個人的には難とは思わないが)を改善した主人公であるなぁ。
エロマンガ先生こと紗霧ちゃんがあざとすぎる妹萌え!
よくある?ひきこもり妹で兄好き、義理でコミュニケーション苦手、デレデレだけど微妙にベタベタにはならない絶妙な距離感。
見た目清楚な美少女でエロマンガ先生というギャップ萌え、次第に他ヒロインを蹂躙する暴君、他ふたりがどんなに強力でも、正ヒロインが揺るがぬ圧倒的ヒロイン力。
山田エルフ先生、ムラマサ先輩どちらも高飛車ツンデレと一見被っているようでいて、方向性違う可愛さが素晴らしい。
エルフ先生のヒロイン力も極めて高い、普通なら圧勝できそう…
ムラマサ先輩の思考こそ、天才というやつでしょうか。凡人とは違う世界を見ている。
一見テンプレのようでいて、独自の魅力満点でした。
めぐみんの小悪魔的なあざとさも捨てがたい。
段々良い子だと分かって来る…実はお姉ちゃんなのも良い。
政宗の同級生・智恵ちゃも何気にヒケを取らんです。
本屋の看板娘、本(ラノベ)好きで友人目線の親しみやすい良い子でした。
政宗の父、紗霧母も印象的でした。
全面的にクリエイターの子供応援してくれる、ステキ。
俺妹の京介の父(初期)との比較、中の人が京介なのも合わせて、感慨深い。
…同時期の「月がきれい」のはねてる君の父並みにステキな親です。
子供中心作品で大人が良いのは良作の証。
ゲストで俺妹キャラ出演も嬉しいサプライズでした。{/netabare}