狗が身 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
なぜ70分なんだ…。
アニメ映画を観ていると「これで120分は長すぎるな~」と思うことが時々ある。
でもこの映画はその逆。内容に対して、放映時間が短すぎる。というか、短い。
この内容をなぜ120分使えなかったのか、勿体ないと感じずにはいられない。
中盤までの内容は文句のつけようが無い。完璧だ。
僕はあまり集中力が持たない方で、例えば映画を観ていても120分の作品をDVDで鑑賞するとしたら、大体60分ずつで二回に分けて視聴したりする。
集中力が持たないというのもあるし、キャラクターの心理や世界観、ストーリーの把握なんかをじっくり考えたいからなんだけど、本作の場合、視聴中に時間の経過をほとんど意識することがなかった。
つまりそれだけ、視聴に心地よさがあったんだ。
なんだろうな~。あんまりこういう体験が無いからハッキリとは言えないんだけど、キャラクターの語りとか物語の内容そのものが、すごく身近に感じられるんだけど、かといってリアルすぎるということもなくて、本当に自然なんだよなー。
観るという行為をほとんど意識せず、スッと作品に入っていけたというか…とにかく、全部観終わってからやっと感想が出てくる感じ。
文学作品をアニメにしました、という系統の良きお手本といった作りだ。
ただ、オチはちょっとアッサリし過ぎたかなー。高校卒業から同窓会までの間が短すぎて、肩透かし。
画面の外でキャラクターの心情がいつの間にか変わっていったにしても、その間隔が短すぎて無理矢理詰め込んだ感じが出ちゃってる。せめてあと20分、放映時間が欲しかった。
東京で社崎を待っているっていうのはすごく素敵なんだけど、社崎が東京に来るという根拠はなかった訳だし、その為の布石が仕込まれていれば、同窓会の場面での「お風呂で寝ちゃう人」って台詞の衝撃はもっと激しくなったんじゃないかな。
普通に考えれば、ビンタをした一件以来たぶん里伽子はずっとモヤモヤしていたと思う。時間が経つにつれて自分がビンタをするまで激怒した本当の理由に気づくだろう。でもそこで謝りに行くなり自分からコンタクトをとらない辺りが里伽子らしいよな。罪な女だよ全く…。
尺が長すぎるジブリ作品なんて沢山あるだろうに、なぜこの作品に限って70分しかないのか…悔やまれます。
※僕の勘違いで、本作はテレビ放送された作品だったんだね。映画かと思ってた…。
TV放送だとすると…CM抜き100分が理想かな~。それか、せめてあと10分ほど欲しかったところか。