101匹足利尊氏 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「届かない理想より目の前の正義」
原作ゲームは未プレイ。関連作の『ベルセリア』はPS4版をクリア済。
登場キャラの中では私はロゼに惹かれました。
『テイルズ』シリーズは数作品プレイしただけですが、
私は『テイルズ』では純真な青少年主人公たちより、
ロゼのような清濁併せ呑む部分を抱えたキャラに注目してしまいます。
それは世界が如何に穢れているかを思い知らせた上で、
尚この世界は滅ぼさないと決意する『テイルズ』伝統のシナリオ。
この“王道”パターンにおいて、真っ直ぐすぎる少年主人公の言動は時に綺麗事に聞こえて
私はあまり感情移入できないことが多く、
つい私は、脇で傷を抱えているキャラに説得力を求めてしまうからだと思われます。
(但し、『ヴェスペリア』の主人公・ユーリ等は別格)
だからもし原作ゲームをプレイするとしたら、
私はロゼを操作キャラにして、彼女の視点でこの穢れた世界を旅してみたいですね。
道中、極悪人を容赦なく成敗しつつ、自らも業を抱えた上でこの世界を受け止めたいです。
よって私がゲーム版に手を出すことは今後もないと思われますw
(但し、この穢れへの欲求?はシリーズ初の女性主人公かつ、
彼女含めてキャラ全員が腹に一物抱えた『ベルセリア』によって
思う存分晴らされたわけですが)
構成面では終盤、重要キャラ、特に“災禍の顕主”の抱えた業などが、
駆け足でやや説明だけになってしまったのが少し残念な点。
孤独の呪いの苦しさを訴えられて、古今の独裁者たちの人生なども思い出す、
なかなか深い視点だと感じたので、この部分は一話か二話かけて、
物語として表現されたものも見てみたかったです。
こう考えると、一期で二話分『ベルセリア』の販促回で消化してしまったのが返す返す勿体ない印象。
『ベルセリア』は二期みたいにプレイしていれば、
関連要素に気が付いてニヤニヤできる程度に止めた方が良かったかなと思います。
作画面では、災害等として極まる穢れを具現化する背景作画は、今期でも説得力抜群。
二期ではさらに“神依(カムイ)”によるパワーアップ表現等にも、
アルティメット感が出ていて興奮しました♪
特にヒロイン二人の神依には、まるで女神が降臨したかのような
聖性が伝わって来て良かったです♪
それにしても、主人公を一貫して信じ続け、時に長いあいだ待ち続ける……。
ミクリオ君の“ヒロイン”力には毎度グッと来るものがありますw
原作ゲームをスルーした私は、アリーシャ→ロゼのヒロイン交代劇に、
全く懲りない悪びれないバンナムの商魂が絡まったこと等が原因だと言う、
原作ゲーム炎上の災厄を、対岸の火事として眺めていたわけですがw
本作を観ていると私は、そもそも最初からミクリオ君のポジションに、
幼馴染み属性の正ヒロイン置けば何の問題もなかったんじゃないか?とすら思ってしまいますw
ただ……それだと完全にギャルゲーRPGになってしまう気もしますが(苦笑)