タケ坊 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
哀愁のブルース 90年台の名作
☆感想&物語☆
正直内容に関しては、殆どこのサイトを利用してる人には説明不要かなと思いますが...
まぁ観てない人のためにさらっと簡単にどんな作品かというと、
SFアクション、スペース・オペラ、ハード・ボイルド、ヒューマンドラマ、という感じで、
よく練られたSF設定&考証、興味深い世界観を舞台に、
気軽に楽しめる娯楽性にも優れているし、かつ大人の視聴にも充分に耐えるドラマもあり、
アニメとしてのクオリティの高さも申し分なし。
まさに90年台を代表する名作として名高い作品です。
1話か2話完結のオムニバス形式ながら、各話とても丁寧に作られてて感心します。
まぁ26話の中には、自分好みの重厚なドラマ性のあるものあれば、
結構他愛無いようなものもありますが、それも含めてのビバップ節と言えるでしょう。
クールでお洒落、粋で哀愁も漂う雰囲気アニメとしても非常に味わい深い。
物語は全然異なりますが、作風としてはルパンなんかがちょっと似てるかもしれませんね。
☆声優☆
何と言ってもメイン3人、隙のないキャスティング&演技で魅せてくれます。
エド演じる多田葵の抜擢が少々意表を付いてますが、これがなかなか良い感じにハマってますね。
その他ゲストで登場するキャラ達含めて文句なしの演技で言うことなし。
☆キャラ☆
おっさんが格好良い作品に駄作なし。
これは殆どのアニメに共通すると思ってますが、まさにその代表格と言えそうです。
スパイクにジェット、いずれも痺れる格好良さと渋さに惚れ惚れ。
メイン3人の過去、生き様がとてもドラマチックで魅了されます。
☆作画☆
98年の作品ということで多少古さは感じるものの、
時代的に殆どセル画で制作された作品ということを考えると、
むしろ作画レベルは驚異的で現在のデジタル&3DCGが普及した作品と比べても全く遜色ないどころか、
TVアニメでここまで優れた作品をよく作れたなと思いますね。
背景~人物、派手なアクション、どれもが見応え充分。
当時のアニメーターの本気度と労力は半端無かっただろうなと頭が下がります。
☆音楽☆
OPは作品観たことない人でも知ってるんじゃないだろうか、と思える有名なインスト曲で、
OPアニメーションと楽曲だけでこの作品のお洒落感は充分伝わるでしょう。
また逆にEDは渋すぎる哀愁漂う楽曲、こちらもまた作品の一面をとても良く表現されてて素晴らしい。
BGMは菅野よう子担当で、ジャズにブルース、ロックにカントリーなど実にバラエティ豊かでゴージャス。
作品のさまざまな場面の演出に見事に貢献されてます。
アニメのBGMの評価としては間違いなく最高ランク。
自分はこの作品観るまで、ギターやっててもブルースとか泥臭くてあんまり好きじゃなかったんですが、
この作品の内容との相性の良さに、あぁブルースってこういう事なんやなぁ、
と初めて魅力の一端を窺い知れたような気がします。
正直あにこれで本作がランキング上位に位置しているというのは、
少し驚きではありますが、本物をきちんと評価できる良識のあるアニメファンが一定数居る、
という事実は喜ばしいことでもあります。
比較的ランキング上位で90年台の作品はエヴァンゲリオンと本作くらい?かと思いますが、
どうしても古い作品は観る人も少なく、作画なんかは今と制作環境が違うので、
客観的に比べることはなかなか出来ないでしょうし。。
そんななか、萌え要素なんかも一切なく、
作風もかなり渋いのにこれだけ評価されているというのは、とても意義深いこと。
やはり優れた作品は時代を越えるんだなぁと改めて実感しました。