ようす さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「怖さを受け入れろ。逃げも逆らいもせず、乗り越えていくんだ。自分の事を信じてな。」
もしも地球に隕石が衝突せず、
恐竜たちが絶滅していなかったら…?
恐竜たちは言葉を持ち、
生きていくために家族や仲間と力を合わせて暮らす文明を築いていたかもしれない。
そんな切り口で描かれた物語の世界。
ピクサーの圧倒的な映像技術が見せる、
太古の世界を満喫できます。
90分ほどの作品です。
同時上映は「ボクのスーパーチーム」(7分)
毎回ディズニーの同時上映短編アニメーションはクオリティが高い…。
● ストーリー
トウモロコシを栽培して暮らす恐竜の夫妻に3匹の子どもが生まれる。
末っ子のアーロは体が小さく、気も弱い。
自分に自信をなくしているアーロに、
父はトウモロコシ泥棒の退治を任せる。
罠にかかったのは、
言葉を持たない原始人の子ども・スポットだった。
この作品では、
2つの変化が物語として描かれています。
1つ目は、弱虫なアーロが成長していく姿。
2つ目は、アーロとスポットの関係。
≪ アーロの成長 ≫
自分は何もできない弱虫だと思っているアーロ。
だけど、その気になった時には、
本人も気付かないうちに大きな力を発揮している。
自分では自分の成長に気付きにくいもの。
アーロは、自分の持っている力に気付いていないだけ。
そんな描写が至る所で表現されています。
こうやって成長していく姿は、
観ていて嫌な気分になる人がいない、
王道な展開ですね♪
≪ アーロとスポット ≫
恐竜と人間。
アーロは草食なようなので、
スポットを“食べ物”とは思わないみたいです(笑)
アーロは言葉を話すけれど、
スポットは言葉を一切話しません。
身振りで何かを伝えようとします。
二人の間に言葉のやり取りはないけれど、
一緒に過ごす時間の積み重なりが
徐々に二人の心の距離を近づけていく。
互いが伝えようとしていることが
わかるようになる。
それは二人と観客の距離も同様。
二人が心で会話している内容が、
観ている側にも伝わってくる。
これはピクサーの映像技術がなせる業…
なのかもしれませんが、
ここは夢見る気持ちに従い、
観ている人も言葉を越えた何かを感じている、と思いたいです。
● 作画
アーロの質感。
怪我をした皮膚。
美しい自然。
荒れ狂う自然。
全てが見惚れてしまう美しさです。
川に落ちたり流されたりするシーンが何度かありますが、
実際にスタッフは荒れた川に流されてみたんじゃないの!?
と質問してみたくなるぐらい、再現度が高いです。
この技術は、さすがトップレベルというか、
もはやぶっちぎってますね。笑
● 音楽
【 日本語版主題歌「Best Friend」/ Kiroro 】
う~ん…。
確かにいい曲ではあるけれど、
定番ソングすぎて、
わざわざこの曲にしなくても…というがっかり感。
この曲を主題歌として使う意図がつかめません。
う~ん…。
● まとめ
ストーリーとしては、なんてことないよくある話。
家族とはぐれてしまった弱虫アーロが、
スポットと一緒に家を目指す旅物語です。
途中で飽きてしまうシーンもあったけれど、
衝撃的な展開も、笑える場面も、感動できる場面も用意されています。
ただまあ、ハードルを上げて観る作品ではありません(笑)
美しい自然と、
美しい友情と家族の愛を、
ゆったりと楽しむ分には、ちょうど良い作品でした^^