Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「キャラクターとリアルライブがリンクする! 次世代のガールズバンド・プロジェクト」
この作品の原作は未読です。
ジャケットに楽器を持っている女の子が映っていたので、何となく物語の展開は予想の範疇でしたが、以外だったのが2つ…
一つは、キャラを演じている声優さんが実際にバンドを組んで演奏していること…
そしてもう一つは、物語の展開が案外と熱かった…という点です。
これまで、キャラを演じる声優さんが舞台に立つ機会は数多くありました。
ラブライブやマクロスΔのValkyrieなんかが良い例です。
バンドを組んで実際に楽器を演奏するまで、声優さんに求めた作品はそう無いのではないでしょうか。
私はサプライズで「けいおん!」のメンバーがコンサートで披露してくれたのしか知りません。
でもソロでなら実例はあります。
例えば、牧野由依さんは「ARIA」で、みかしーは七森中♪ふぇすてぃばるで、東山さんが中川かのんちゃん役で出演した「神のみ」のコンサートで、ピアノの弾き語りを披露してくれましたよね。
楽器の演奏は声優さんの本分ではないので、お互いを結びつける事自体が難しいと思います。
でも、そういう一芸に秀でた声優さんがいらっしゃるのもまた事実です。
だからこの作品の配役を掴み取るには、声優としてどれだけ頑張っても楽器が弾けなければなれない…という極めて高いハードルが設定されていたんです。
只でさえ本業で忙しいのに、その合間を縫って楽器の練習をする…
どれだけ声優さんの仕事って大変なんでしょう。
この作品の主要登場人物は、ガールズバンド「Poppin'Party」のメンバーとなる訳ですが、そのメンバーと声優さんは以下の通りです。
戸山香澄(CV:愛美さん)リズムギターとボーカル担当
市ヶ谷有咲(CV:伊藤彩沙さん)キーボード担当
牛込りみ(CV:西本りみさん)ベース担当
山吹沙綾(CV:大橋彩香さん)ドラム担当
花園たえ(CV:大塚紗英さん)リードギター担当
登場人物がパートを声優さん同じパートをなぞる…これってどう考えても難しいと思います。
それに例えば大橋さん…2016年冬アニメでは、この作品だけでなく「政宗くんのリベンジ」のメインヒロインである安達垣愛姫も演じているんです。
主役級を同時期に複数演じられる声優さんはこれまでもいらっしゃいましたが、バンド活動まで手を伸ばしている方は…もう稀だと思います。
しかも大橋さんはデレマスの島村卯月役も演じているからこちらの作品でもゲームやコンサートで大忙しでしょうに…
もしかしたら声優業ってブラック企業並…?
何てことが頭に浮かんで仕方ありません。
間違いなく大変だとは思いますが、身体だけは壊さないようにして欲しいと思っています。
一方、物語の方は楽器未経験だった戸山香澄がバンドの…仲間で音を合わせる楽しさに気付き、メンバーを集めてバンドを組んでいく…という感じなのですが、冒頭記述した通り結構展開が熱かったと思います。
「バンドやろう」と声かけて二つ返事で良い答えが返ってきた試しを私は知りません。
個人や全体での練習に時間を取られる…人前で演奏するのが恥ずかしい…
きっと断る理由は星の数ほどあるのだと思います。
怖くて尻込みしてしまうのは、スイッチが入って一生懸命練習して自分の全部で表現した音楽を否定される事なのかもしれません。
でも本当に怖いのは、何もせずに一度しか無い時間を無駄に過ごす事…なのではないでしょうか。
常に何かを言い訳にして自分の本当の気持ちを誤魔化してはいないでしょうか。
事実、彼女たちは何度も躓いて身体も精神も満身創痍…
そこで投げ出す…という選択肢が無かった訳ではありません。
でもそこで投げ出したら、その後の人生で必ず後悔すると思います。
彼女たちの選択とその先にあるもの…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは「ときめきエクスペリエンス!」
エンディングテーマは、「キラキラだとか夢だとか 〜Sing Girls〜」
どちらもPoppin'Partyが歌っています。
1クール13話の物語でした。
この作品のイチオシはキーボード担当の市ヶ谷有咲ちゃん…
気持ちと言動がバラバラ…自分の頑張っているところを人に見せず、一見クールな感じに見えますが、人一倍熱い気持ちを持った女の子です。
声優さんに普通の作品以上に負担のかかる作品でしたが、個人的にはしっかり堪能させて貰いました。
視聴して良かったと思えた作品でした。