Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キャッチコピーは「いのちの糧は、戦場にある」其の2です。
機動戦士ガンダムシリーズ…私は初期とここ数年で放送されたレコンギスタやUC以外がスッポリと抜け落ちているので、ガンダムシリーズには疎いと思っています。
ですからこの作品に関して巷の噂はチラホラ聞こえてきますが、私にとってこの作品の評価は決して低くありません。
むしろ分かりやすく面白い、という印象を持った、というのが正直な気持ちです。
決して枯れることの無い鉄の華を掲げた「鉄華団」
枯れない華は彼らの希望であり、居場所そのもの…
だから失う訳にはいかなかったから全力で立ち向かった…だってもし失ってしまったら自分だけじゃない…大切な家族の居場所を奪ってしまうことになるから…
鉄華団に入ったのは、もしかしたら「たまたま」という人がいるかもしれない…
オルガのカリスマ性…一度歩み始めたら成し遂げるまで絶対に立ち止まらないミカの勇姿…アトラの優しさやクーデリアの魅力…
こんなにも強く輝く個性が揃った組織が、行く当ても…明日の食べ物すら無い自分に手を差し伸べてくれている…
自分を家族だと言ってくれる…
こんな温かい場所なら身を置きたいと思います。
頑張らなきゃ…って思います。
そしてそれはミカやオルガも一緒…
鉄華団の事を何より優先してきたオルガ…
その双肩には鉄華団という重圧がいつも重く圧し掛かっていて、いつ潰れてもおかしくなかった。
オルガだって、人生経験なんてそれほど積んでいる訳ではないのだから…
だから例え間違ってもおかしくないし、許されて然るべき年齢だと思います。
ですが、彼に対する世間の風当たり…正直厳しすぎると思いました。
もちろん、大人の事情も分からない訳ではありません。
それを差し引いてももっと情状酌量の余地はあったのではないでしょうか…
だって彼らは未来の希望…金の卵なんですよ。
オルガから選択肢を奪ったら…鉄華団の進む道って一つしかないじゃないですか…
視点を少し変えて登場人物ですが…
個人的なイチオシは断然アトラです。CVは金元さんという鉄板の組み合わせ…
機転の利く頑張り屋さん…ちょっとブカブカの鉄華団のユニフォームが何故かとても良く似合っていて、鉄華団をしっかりと陰で支え続けてくれました。
彼女がミカを想う気持ちはきっとオルガだって敵いません。
だからどんな状況でも気持ちは微塵も揺らぐことがないから、本当に言いたい事が言えたんだと思いますし、受け止める事ができたんだと思います。
鉄華団の躍進は確かに奇跡的だったと思います。
でももう一つの奇跡は…間違いなくアトラが起こしてくれたと思います。
そしてその軌跡はアトラだけでは起こす事はできません…きっと思いが通じ合った二人に神様がくれたプレゼントだったのではないでしょうか。
そして主人公の三日月・オーガス…小柄であどけなさが残る顔立ちの彼は、失敗の確率が高い阿頼耶識システムの手術を3度も受けた強者です。
この手術も彼の特徴ではありますが、一番の特徴は戦闘スタイルだったと思います。
目の前の障害物を全力で排除する…
あいてとの力量がどんなにあっても決して手を抜かない…
その両の目は常に前を見続けている…
これって鉄華団の生き方そのものだと思いませんか?
だからオルガは理想や空想を並べ立てていた訳じゃなく、ミカが一つ一つ具現化していたんだ…と考えるとミカとオルガの関係の深さがうかがい知れます。
…ここまでレビューを書いてきて一番思うのは「無駄な血を流し過ぎた」という事です。
オルガを支え続けたビスケット…
クーデリアの痒いところにしっかり行き届いていたフミタン…
名瀬のためだけに在り続けたアミダ…
只でさえ苦しい状況が続いているんです。
そんな時に寄りかかって安心できるのは仲間の存在…
それを大人の事情に子供を巻き込んだ挙句、筋の通らない事を平気でやってのける…
途中からどっちが大人か分からなくなるほど無念さを感じました。
その後、ラフタの一件ではそんな気持ちを取り越して激しい憤りを感じましたけれど…
もし、この一件が無かったら…たらればを言っても仕方ありませんが、どうしても考えてしまいます。
結果は覆らなかったかもしれない…けれど向かう気持ちは全然違ったと…
オープニングテーマは、SPYAIRさんの「RAGE OF DUST」とKANA-BOONさんの「Fighter」
エンディングテーマは、GRANRODEOさんの「少年の果て」とUruさんの「フリージア」
流石ガンダムシリーズ…良曲揃いだったと思います。
個人的に好きだったのは「少年の果て」でした。
カラオケでは散々でしたけれど…
今期は2クール25話で、全体では4クール50話の大作でした。
生きていくため…家族を守るために戦うんだ…
そんな鉄華団のみんなは間違いなく輝いていたと思います。
しっかり堪能させて頂きました。