じぇりー さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
スピードが命!な作品。アクションも展開も。。。
近未来系SFアクションもの。
世界は第4の次元軸「W」(つまり本作のタイトルである「次元W」)を発見し、そこに存在する無尽蔵なエネルギーを得、それを誘導装置「コイル」に供給するシステムを創り上げていた。
何それ、超便利じゃん!!これさえあればエネルギー問題解決ね★とは、いかない。まぁ当然。
裏の世界では「不正コイル」なる違法かつ危険な代物が出回っており、それを用いて暗躍する輩たちが存在していた。
その不正コイルの「回収屋」であるマブチ・キョーマとロボットのミラとのコンビの活躍を描いた作品である。
冒頭3話くらいで、一気に世界観に引き込まれた。
キョーマの串のような武器とワイヤーを用いたアクションシーンの恰好よさと躍動感よ。作画頑張ってる!
この調子で、時にクール・時に派手なアクションで悪者をバッタバッタと締め上げていく展開が続くのかと思っていたら、その後は次元Wとコイルの真実に迫るシリアス展開が中心。
ここから一気にSFっぽさが増してくる。別にそれ自体は全く悪くないし、また登場キャラクターの回想シーンが頻繁に入ることで、人間模様や心理描写にも尺が割かれている点は良いことだと思う。
ただこの「次元W」や規格外のコイルたちが、かなり万能すぎて何でもアリな存在なのが、逆にこの作品の仇になってしまった気がする。
それを科学的に一生懸命様々なキャラクター達が解説するものだから、回を追うごとに、アニメの中身がほぼ「説明」と「回想」に費やされていく。
原作未読だが、これにより一番影響を受けてしまっているのが、戦闘シーンであろう。恐らくかなりカットされているであろうことが安易に見当がつくくらい、展開が急すぎる。
いや確かにそれでも話は通じるけれど、今思いっきり1・2シーンくらいカットしただろ!この展開の飛びっぷり!と思うことが何度あったか。
キョーマの串&ワイヤーアクションが見たいのに、(恐らく)バンバン消されているだろう現実が辛い。
説明がなければストーリーは理解できないし、回想がなければキャラクターの背景も見えて来ない。
だから、12話で纏めるにはこのような構成にせざるを得なかったのだろうなと思うのだが、かなり駆け足&端折った感が露骨なのは否めない。
同時に、右肩下がりに作画も崩れていっているような印象も受けた。
世界観や設定、キャラクターはいいのに、この超高速展開がもったいないと感じた作品だった。