MLK さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:今観てる
無題
このような系統の作品にこのようなツッコミを入れていくことは無粋であり、この作品を愛している人間にとって反感を買うことにしかならないのは重々承知したうえで言わせていただきたい。
これでよいのだろうか。
この作者の作品に出てくる女性は実に一貫している。それは、本来独立しているはずの個性や行動がどこまでも視聴者にとって好ましいところである。もちろん、この傾向は最近のトレンドでもありこの作品だけの病理ではないのだが、特に徹底されているのがエロマンガ先生の特徴といえるだろう。
ヒロインである紗霧は、エロい絵を描くことに特化した絵師であり、本人もオタクで引きこもりである。エロい絵を描くために自分もエロい格好をするし、いやらしい下着も履く。性格はいわゆるツンデレであり一つ一つの言動が悶絶必須のかわいさである。しかも物語の始まった瞬間からお兄ちゃん大好きで血はつながっていない完璧な設定。
対抗馬たる山田エルフはエロ多めのラノベ作家。全裸でピアノを弾くし、メイドの格好で主人公に奉仕する。性格も勘違い系金髪お嬢様の亜種であり、視聴者諸兄はまたしても涎を垂れ流しながら画面を眺めるほかない。(私もぺろぺろしたい)
途中でやってくる委員長も、実は良い奴でしかも途中からラノベ大好きになるらしい。初対面の男の前で堂々とおちんちんと発言できるところも含め、天晴れな女である。
だが、これで本当によいのか。
先程述べたように、この作品に出てくる女性は一部の隙も無く可愛らしく、オタク諸兄に限りなく優しくしてくれる可能性を秘めている。しかも、この仕組みのおかげで、構造上エロ好きなラノベ作家という一番痛々しいオタクである主人公=画面の前で涎垂らしてる我々は絶対に馬鹿にされず、嫌われず、安心して丁々発止やゲスなエロシーンを楽しむことができるのである。つまり、この世界においてオタク的なものは絶対に批判されないのである。
私は、これをオタク全体主義と呼ぶ。
Twitter界隈でも顕著なこのような在り方は、堕落と退廃を招き、文化そのものを失墜させかねない。全体主義国家の末路は、歴史が証明している。
また、ラブコメとしても成り立っていない。ここで行われているのは、本当は好きなの……な「ラブ」と、過剰なまでに散りばめられた視聴者サービスの「接待」であり、正確に言うならば「視聴者へのラブラブ接待」が正しい。キャラクターのやり取りに口角を上げたことを思い出す読者がいるならば、それはギャグではなく、画面いっぱいのエロ可愛さにだらしなく口元を緩めただけである。
だがしかし、今期においてキャラの可愛さでは群を抜く作品であることは確かであり、その一点突破だけで視聴できるほどである。かくいう筆者も山田エルフ先生の腋をぺろぺろしたくてたまらない。
人間には、毒と分かっていても摂取したいものはあって当然なのである。
月並みな言葉ではあるが、エロマンガ先生は「節度を持って楽しみましょう」
この言葉をもって本稿を締めさせていただく。