runa21 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
変わるものと変わらないもの
国の平和と秩序を守るACCAが
クーデターを起こすという
何とも言えない皮肉なお話。
ただし、最後まで目が離せない。
クーデターを起こす話なので、
おおっぴらに「次の王様はあなたです」なんて言いません。
初めの数話は、
謎の思わせぶりな表現が続き、
「何かあるのかな?」
と気になりながら物語が進んでいくんです。
中盤以降に、
ジーンが王家の人間だと知ってから、
どどどっと一気に物語が進んでいきます。
ラストのあの結末に至るまで
「計算されつくしてるな~」
という感じが終始しました。
ジーンもそうなんですが、
表情が乏しい人が多いので、
そんな人たちのほんのささやかな視線から、
その人が何を考えているのか、
その人の思惑がどこにあるのかを
考えなければなりません。
流し目で語るなんてセクシーすぎる(笑)
この物語の中で、
最も変化があったのは、
ACCAでも、王家でも国でもなく、
ジーンとニーノの関係じゃないかと。
ラストの二人の姿は、
いつも通りに見えながらも、いつもとは違います。
ニーノの人生は
全てジーンたちに捧げられていた真実。
自分の悲しい時でも、
彼のために常に寄り添っていたという事実。
秘かに守られていたという真実。
ジーンにとっては、
複雑だったでしょうね、
親友だと思っていた人が、
実は計算されて彼に近づいていたこと。
自分だけが何も知らされていなかったこと。
先ほども述べたとおり、
視線でしか語らないキャラクターなので、
心情をつかむのは難しいのですが、
ラストに
ニーノが自分のもとに現れることを信じている
ジーンは、内心ドキドキだったのかもしれない。
正体がばれて、クーデター事件も終了したので、
ニーノは自分の近くにいる義務はなくなるはず。
でも、ジーンはニーノが現れると信じたかった。
だから自分の前に現れたニーノに
いつも通りに接していたけれども、
実はとてもうれしかったんじゃないかな。
最初とラストで
二人の関係は大きく変わったはずなんですが、
ラストにはいつも通りに接している二人の様子に、
変わるものもあるけど、変わらないものもある
と感じた。
とにかくクールなお話。