インド人を右に さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
自分らしさってなんだ
ポンコツイケメン書道家が主人公ですが、書道についての蘊蓄はほぼ無し。
都会育ちのメンドクサイ性格の若き書道家の半田センセイが、離島の人々(主に子供)との日々の中で、どんどん変わっていく(人間的に成長していく)様子をコメディタッチで描いています。
あらすじを見て「書道とかよくわからないし、毎話葛藤とか重い感じだったらいやだなー」と思ってましたが杞憂でした。
話が重くなったかと思ったらコメディ風にさらっと流してくれるのでまったく嫌味なく安心して観れます。
しかも話を無駄に重くしないにもかかわらず、要所要所ではちゃんと感動を挟みこんできて、ストーリーの作り方が上手いなと思いました。
島の子供たちの遊びがリアルで、「水中メガネの内側にヨモギの汁を塗ると曇らない」「傷にはヨモギ」というヨモギ万能説や、虫採り、運動場の取り合い、ザリガニ釣りなど、あるあるwというシーンがたくさん。。
島での生活描写もバッチリで「石垣積み」「薪風呂」「田舎の商店」など、こちらも、田舎あるあるwというシーンが。
そんな中で都会育ちの半田センセイが、子供たちに振り回されてたまに醜態を晒しながらも徐々に島での生活に馴染んでいくのがほほえましいです。
東京では「"書道家"の半田清舟」で通っていても、島だと「"習字"の半田センセイ」と呼ばれているのが、これまたいいですね。島の人々は主人公を肩書で見ずに、その人として見ている様子がうかがえます。
OP曲の『らしさ』は、本作のテーマにぴったりの歌詞でホント良曲だと思います。
今後の人生で、ちょっと疲れたり壁にぶつかったときには、観なおしてみようと思える良作でした。