岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
個人的にはSAOの方が
原作未読。ソードアート・オンラインに引き続き視聴。
「アクセル・ワールド(以下AW)」が放送された2012年は個人的にアニメから完全に離れていた時期でした。今になって振り返ってみると「ソードアート・オンライン(以下SAO)」など名作が多く、まさに豊作の年だったのだなと再確認。できればリアルタイムで作品を追いたかった。
そんな年に同じ原作者の原作小説が2つもアニメ化するというのは当時の事情は詳しくないのですが、大プロジェクトだったのではないかと思います。自分が原作者だったら、どんな気持ちでこのアニメ化を見守るだろうかとつい想像してしまう。2012年当時、AWの2クール目とSAOの1クール目が重なっているという放送スケジュールにも驚き。
作品の中身に関してはSAOよりも未来のお話で、SAOとは直接的な繋がりは明らかにされていないものの、緩やかな繋がりはありそうな舞台設定。登場人物はSAOよりも年下で、SAO繋がりで声優さんも共通しているキャラもいる。
AW・SAO共に「仮想世界でのゲーム」、「現実と仮想世界との交錯」、「強さ・速度が鍵」といった共通点が見受けられた気がした。
AWではSAOではあまり描かれなかったキャラクターの心理描写が比較的描かれており、その点がSAOとの大きな違いかと感じた。基本ライトノベル調ではあるがキャラクターの現実生活が多く描かれている分、キャラクターの情報量も増す形になっていると思う。またSAO以上に序盤から現実と仮想世界の親密度が高いのも、本作ならではの魅力だと思う。ただヒロインが主人公に好意を寄せる過程などはやや突飛で、感情移入しにくい点もあった。また展開の都合上、終盤までヒロインが出てこない点も、脚本面でも少し寂しかった。
またAW特有の設定として思考が加速するという設定は面白いのだが、説明的にも映像的にも若干分かりにくい点が多く、あまり物語に入り込めなかった。仮想ゲームの中の設定もイマイチわかりにくく(これは自分のせいでもあると思う)、SAOよりもあまり未来感を感じられなかったのも残念だった。
最期にこの作品で一番気になったのはキャラデザ・メカデザ。制作会社もキャラデザ担当も、作品の方向性も違うので仕方がないとはいえ最後まで馴染めなかった。キャラデザや背景など作画面の全体的なクオリティーは、SAOの方がスタイリッシュで好きだった。個人的に元々メカものがあまり好きではないのが作品の評価に災いしたと思う。
まとめると原作者の川原先生の作風や作品づくりの原点を知れた(先生の肉声も笑)点はとてもよかった。ただSAOとAWのどちらがとっつきやすいかと聞かれれば個人的には前者かな、と。ファンにはこちらも必見だとは思うが、SAOだけでも十分原作者の作り上げた魅力的な世界観をアニメとして堪能できると思う。