蒼い✨️ さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
マクロス特盛りじゃけんね!
アニメーション制作:サテライト
2016年4月 - 2016年9月に放映された全26話のTVアニメ。
『マクロスF』以来となるTV版マクロスシリーズ4作目。
総監督・河森正治。監督・安田賢司。
【概要/あらすじ】
西暦1999年7月。地球に異星人の恒星間宇宙船が落下。地球に甚大な被害を与える。
異星人のテクノロジーの塊であり無人であった宇宙戦艦を人類が解析・研究し、
地球の科学技術の飛躍的発展を遂げる。
西暦2009年 - 2010年。第一次星間大戦。
地球人類と異星巨人種族ゼントラーディ軍の全面戦争によって地球は滅亡寸前にまで追い込まれるが、
異星人の宇宙船を改修した巨大戦艦SDF-1マクロス。伝説の歌姫、リン・ミンメイ。
そして、地球人との共存の道を選んだゼントラーディの一部によるブリタイ艦隊との共闘により、
圧倒的戦力を誇るボドル基幹艦隊にかろうじて勝利をし、終戦を迎える。
人類は戦後、クローン技術など異星人のテクノロジーを使っての地球再生に努めており、
人口を爆発的に増やそうなど、かなり無理をしながらも復興の道を歩んでいた。
そして人類は「銀河播種計画」で銀河系各方面に移民船団を送る。
地球が再度襲来されて滅ぼされても、人類が滅びないように分散させる事業である。
『マクロス7』『マクロスF』は、移民船団の物語である。
宇宙には、一大星間国家を作った異星人の種族プロトカルチャーが存在していて、
地球を含む各惑星の原生生物を遺伝子操作して、自らの姿に似せて進化させた。
プロトカルチャーは絶滅したはずであるが、後付で設定が変わっている。
地球人類の移民船団は地球とは別に発展してきた異なる人類が存在する惑星と接触。
異星の人類との共存が基本路線ではあるが、
不平等条約を結ばせたりとで必ずしも友好的関係とは限らない模様。
西暦2067年。マクロスFから8年後。
銀河系の各地にて人間が凶暴化して自我を失う奇病「ヴァールシンドローム」が流行している。
軍人などに感染者が多く、内戦状態を引き起こしている。
ケイオスという、さまざまな業種を手広くやっている複合企業体があった。
マクロス級戦艦やバルキリー隊という私兵集団を持ち契約で派遣する民間軍事会社でもある。
ケイオスには、戦術音楽ユニット『ワルキューレ』が存在している。
戦場で歌い踊り、歌声にヴァール病に対抗する力を持っている女性のみで構成されている。
そして『Δ小隊』は彼女らを護衛する任にある。
『ハヤテ・インメルマン』
主人公。高い操縦技術を持ちながらも仕事に自分の意味を見いだせず職を転々としている少年。
『フレイア・ヴィオン』
歌うことが大好きで、ワルキューレに憧れている少女。
夢を求め故郷を抜け出して密航してきたウィンダミア人。
『ミラージュ・ファリーナ・ジーナス』
地球人とゼントラーディ人の血をひく、生真面目な少女パイロット。
第一話で出会いを果たしたハヤテとフレイアが『Δ小隊』『ワルキューレ』それぞれに入り、
『ワルキューレ』5人のアイドルソングをBGMにフレイアの故郷である「ウィンダミア王国」
と戦っていくアニメである。
マクロスシリーズのお約束事の一つである三角関係も、ミラージュがこのふたりに交わることで存在。
【感想】
BDが平均9000枚でCDアルバムがオリコン上位だったのにも関わらずに、
あにこれで酷評多くない?て疑問。
結局のところ自分の目で判断してみようって動機で観てみました。
オーディションでヒロインのフレイヤ役を射止めてデビューした鈴木みのりさんは、
これからの活躍が楽しみですね。
空に憧れる少年。既に活躍してる歌手に憧れる少女。憧れのトップシンガー。
配置やキャラ付けは変えてますが、『マクロスF』の焼き直しっぽいキャラがちらほら。
スタッフの狙いは『マクロスF』の大ヒットをもう一度ってところでしょうか?
イケメンと美少女とキャッチーな歌と衣装でファンを取り込もうという感じです。
美雲が見た目はちょっとシェリルっぽいですし、
ミラージュの代わりに美雲にハヤテと恋愛させたらFと内容が被ってしまいますので、
立ち位置がマイナーチェンジされています。
きらら系萌えアニメ宜しくアイドルを5人組にして口調で特徴づけたり、
プリキュアのようなカラーリングにしたり、AKBみたいなコスチューム着せたりと、
流行を取り入れながら柔軟に時代にあわせて変化していくのがマクロスのスタイルですね。
富野と河森の最大の違いはそこなのかも知れません。
いざ話を観てみると、ところどころ良かった日常エピソードがあったものの、
全体を通してみるとイマイチっぽいですね。
戦友の死を追悼して乗り越えるとか王道っぽくて良かったのですが。
気になったポイント
・戦闘がFと比べてつまらない。
可変戦闘機のファイター・ガウォーク・バトロイドの三段変形がマクロスの魅力なのに、
戦闘シーンがファイター形態でドッグファイトして、
劣勢になったら決着付けずに退却が定番で盛り上がらない。
巨大戦艦のマクロスの出番すら3回のみですし、そもそも戦闘回数が少ない。
ロボットアニメですから戦闘で盛り上げて欲しかったです。
最終決戦も、マクロスF 第25話 「アナタノオト」と比較して燃えるものが不在でしたし。
・歌自体は良いのだが。
歌手を増やした反動でヒロインが埋没していますね。
バサラは凄い奴だった。シェリルはキュートでかっこいい女。ランカは可愛さ重視。
といった、その歌い手オンリーワンのカラーがΔの楽曲からは見いだせないのですね。
オーダーメイドのスーツを作るような感覚で、
シンガーの声質に合わせてMay'nと中島愛に曲を提供する菅野よう子が凄かったのでしょうか?
Δも曲自体はいいのですが、ユニットを組んでるためかアイドルソングが誰が歌っても同じ感。
・三角関係が盛り上がらない。
Δにも三角関係はあるのですが、その一角のミラージュがキャラが薄く思い入れができない。
ハヤテとフレイヤの関係も『うん!良かったね!』で済んでしまって、
私としては、このアニメ。恋愛面でドキドキやヤキモキが皆無だったですね。
カプ厨は害悪ですが、F放映当時のアルト・シェリル・ランカの三人の話題の盛り上がりと比べたら、
Δの恋愛事情は本当にどうでもいいと言いますか、比較してキャラに熱狂できる要素がないのが原因かも。
全体的なシナリオの出来はFと大差なく、Δには途中何度か良いお話はありましたとも。
しかしながらFを意識しつつ、Fとの差別化を図りつつ中途半端なキャラ付け。
キャラを増やしすぎて、あれもこれもをやろうとして伏線未消化のまま投げっぱなしで終わり。
Fの最終回と比較して全然ダメな最終回。盛り上がるべき場面にBGMとしての機能がいまいちな歌の数々。
イケメンを敵側に多めに配置してるのですが、人気が出るようなキャラ付けが出来なかった失敗。
薄っぺらなラスボス化してしまった彼の扱い等など。
私がFの大ファンなので比較してしまう点は否めないのですが、
当時、誰も観たことのなかった新しいアニメだったというヒット要素のあるF。
Δでは二匹目のドジョウを狙いすぎて欲張りすぎた結果、
設定を捌ききれなかったり歌と内容のシンクロ率が下がったりと、
中途半端なアニメになってしまったというのが正直な感想でした。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。