oneandonly さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
勝負の世界に身を置く人間を描いた作品
世界観:6
ストーリー:7
リアリティ:7
キャラクター:6
情感:7
合計:33
主人公・桐山零は、幼い頃に事故で家族を失い、
心に深い孤独を負う17歳のプロの将棋棋士。
東京の下町に一人で暮らす零は、あかり・ひなた・モモという3姉妹と出会い、
少しずつ変わり始めていく-。
(公式サイトより)
この作品は、話題性があったのと、自分が将棋好き(弱いけど)だったので視聴しました。
最初のほうはリアルタイムで追っていけましたが、後半は多忙になって4月も終わりになってようやく見終えることができました。
原作は未読です。ネットで調べた感じだと絵は似ていますが、台詞の吹き出しが特徴ありますね。アニメはシャフトらしい顔アップのアクセントがありましたが、漫画のほうが心情描写をうまく表現できていそうな印象を持ちました。
世界観は音楽の付加点がなかっただけの日常系としては特段問題のない評価。ストーリーは大きな起伏がなく、加速感もあまりありませんでしたが、2クール物としては概ね良いテンポだったと思います。リアリティ面は、川本家やギャグ表現などで減点もありつつ、将棋の勝負はどちらが勝つのか全く読めない展開(ご都合主義なし)だったのを評価しました。キャラクターは内向的な主人公をはじめ、抜けて魅力的なキャラがいなかったのでこの評価にしましたが、島田八段は私も応援したくなる不思議なキャラでしたね。
情感は、中盤あたりから心に響く言葉があって、涙が出ない範囲での高評価としました。
例えば、{netabare}松永棋士の「勝った時は叫び出す程嬉しくて、負ければ内臓を泥靴で踏みにじられるように苦しくて、世界中に『生きる価値なし』と言われたような気持ちに苛まれた。なのに、それなのに辞められなかった」という言葉に、
零の、安井六段との対局後の「ふざけんなよ。弱いのが悪いじゃんか。弱いから負けんだよ。勉強しろよ。してねーのわかんだよ。解ってるけどできねーとか言うんならやめろよ!来んな!こっちは全部賭けてんだよ。他には何も持てねーくらい将棋ばっかりだよ。酒呑んで逃げてんじゃねーよ。弱い奴には用はねーんだよ!」という言葉に、
川本家のじいさんの「恥なんてかいてナンボだ。「失敗した」ってことは「挑戦した」ってことだからな。何もやんねーで他人のこと笑っている人生よりずっとマトモだ。」「そのうち大人になりゃあ、嫌でも気付くさ。どんな奴でも一線でやっている人間で恥をかいたことない奴なんていねぇってことにな。」{/netabare}という言葉に。
主人公の棋士としての成長過程はまだまだこれからと思わせる良作。2期も決定していますし、引き続き楽しみにしたいと思います。
全然関係ないけど、奇面組辺りからアニメに入った自分にとっては、千葉繁さんと玄田哲章さんの出演があり嬉しかったです。
(参考評価推移:3話3.6→5話3.7→7話3.8→15~22話3.9→調整4.0)
(2017.1~4視聴)