にゃんちゅ(・ω・` さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「できもしない妄想にありもしない未来」
原作未読。ノイタミナ枠
実写化もされている作品であり、期待はしていたものの、
なんだろうな・・・
この不快感と、鬱っぽさ・・・
作風自体が、少々病気気味なので仕方のないことなのかもしれませんが、
放送ギリギリの描写も多く、
正直、登場するキャラに共感は出来ない。
共感はできないけど、言いたいことは理解できる。
心理戦っぽい内容が多くて、いろんな意味で考えさせられるアニメだったな。
努力の仕方が分からないし、したところでどうなるってこともない。
そんな一言で表せられる内容ではないけれど、
一番分かりやすいかもしれないな。
主人公:花火の恋心は鐘井に向いている。
幼きころより鐘井は兄のような存在で、今は先生…報われない恋
そんな鐘井の恋心は茜に向いている。
同じ高校教師であり、清楚で通った自他共に認める美人。実際はかなりの遊び人。
そして第2の主人公:麦の恋心も茜に向いている。
過去に家庭教師をしていた茜を忘れられない。
そんな花火と麦が傷を舐めあうかのごとく恋人同士になります。
恋人同士ですが、お互いがお互いに好きな人(先生)がいる
美しくない恋?・・・そんなの上等ですね。
{netabare}
お兄ちゃんが赴任し担任へ
お兄ちゃんは仲のいい女教師がいた
お兄ちゃんが好きだから気づいたお兄ちゃんの気持ち
そんななか同じ境遇の男の子に出会う。それが麦
気がつくと一緒にいる麦
初めはふざけただけでハグした
寂しさを埋める2人
お互いが別の相手を思い、身代わりの恋
お互い全くタイプじゃないけれど、
契約:お互い好きにならない。恋が成就したらやめる
キス止まりの関係で心以外は相手のもの。
話が進むにつれ、
麦の幼馴染:のり子(モカ)がでてきたり、
花火の親友:えっちゃんが内面打ち明けたりと、ドロドロ感は加速します。
偽りの恋人のくせにモカに威嚇する花火←
それは所有欲なのか嫉妬なのかもよく分からず、
自分の都合よく切り替えてしまう妄想もしばしば・・・
花火が勝手にライバルとしていた茜は、
文字通り魔性の女でしたが、
もう「女!!!!」って感じの女性←
とりあえず第三者が好きだと思う人じゃないと魅力に感じないし、来る者拒まず。
麦も本性を知った上で好きなんだからタチが悪い。
ただ、茜の実際は、男がいないと生きていけない、弱くて可哀想な女性であり、
麦もまた「弱い頃の茜先生」を想っていて、
花火と麦の関係も、近からず遠からずな関係ではあるものの
「夏休みの宿題終わったら先生に告る」→「じゃー私も!」
こんなのただのノリと勢いではあったけど、
砕ける前提の一大決心だった気がするよ。
物語が進むに連れて、全員の心境の変化が伺えて、人も変わっていくんだなって。
特に、茜は鐘井の真っ直ぐ過ぎる思いに改心しますし、
麦も自分が好きだったのは前の茜だったと気づき身を引きます。
花火は茜の真似をしてみたり、
えっちゃんを都合よく利用してみたりと遠回りをしますが、
鐘井の結婚の招待を受けたのが転換期だったのかな?って思う。
最後は、本物の恋を探すって事で麦と花火はそれぞれの道を進んで生きますが、
根本的に、諦めるとか諦めないとかじゃない
その人じゃなきゃダメっていう感情がすごく伝わる作品でした。{/netabare}
主人公は2人ですが、この麦の内情と花火の内情が痛いほど伝わり、
その行動が正しいとは言わないけれど、寂しいのかな?やっぱり。
こんなドロドロ久しぶり
なんだかこんなアニメみてると少女漫画が安っぽく見えるな~って。
感情によって黒くなる背景が、
心を上書きしているような・・・濁らせているような・・・そんな描写が印象的でした。
opの「嘘の火花」という曲。
聞いていて辛くなる。花火の心情が痛いくらい歌詞に溢れている。
けしてハッピーエンドとは言えないかもしれませんが、
個人的には綺麗に終わらせてくれた作品で、スッキリした自分がいます。