anime さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ちょっとニヒルな青春譚
国語の先生のことがが好きな高校生の女の子と、音楽の先生が好きな同じ高校の男の子の偽装カップルを中心とした恋愛模様を描く。女の子の方の本命である国語教師は、相方の本命の音楽教師のことが好きで・・とか、お互い別方面から好かれてて・・とかで展開する。
まずちょっとエッチな感じのシーンに目を引かれるが、次第に各キャラの心の中の掘り下げが丁寧でとてもよくできていると気づかされた。
自己分析的なモノローグの中で、結構ドス黒い感情を中心に語られる言葉には重たいものがあり、観る人に何か目をそむけられないものを感じさせたりするのではないかと思う。
そして印象的だったのは、最終的にどのキャラも本物の「クズ」に仕立て上げるような描き方をしていないってところ。綺麗事のない等身大の人間像を目の前に突きつけられているような感じで、独特の味わいがあった。「クズの本懐」なんてうまいタイトルよく考えたね、と思う。
正直個人的にはこの種の重たい話、好きか嫌いかで言うと嫌いなんだけど、一目置くっていうか、認めざるをえないものがある力作だと思いました。